美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H612

「戻ってきたか」

「ズラララバライト」

 なんか迎えが来た。よかった、どうやらちゃんと元いた宇宙だったらしい。次元を下手に使うと危ないね。入ったところに出るってよくわかんないし……それを考えるとドラゴンはらくらくとそんなことをしてるんだよね。やっぱりチートだね。

「どうだった?」

「うん? 大丈夫大丈夫。案外親切だったよ」

 私は目的を果たせたことを伝えるよ。まあほぼ、ズラララバライトのおかげだけどね。ズラララバライトの後ろ盾がなかったら、私は食われてた可能性が高い。ドラゴンなんてのは大体が皆自由奔放な奴等だし、他人の言葉なんて聞かないのだ。でもだからってへりくだるとすぐに調子に乗ったりね……いやそんなにドラゴンのこと知らないけど……大体が力を持った奴……いや最初から力を与えられてるやつなんてのはそういうものだ。

 だって苦労とかしないだろうし。てかドラゴンって教育とか受けてるんだろうか? よくわかんない。きっと受けてないと思うけど……

「目的は達したな。なら、一旦帰るか」

 そう行って頭を下げてくるズラララバライト。今はドラゴン形態になってるズラララバライト。私はズラララバライトの頭に乗って、ズラララバライトが翼を動かして進みだした。宇宙空間だから、風とかを感じることはない。どんどんと星の流れが早くなる。

 次第に星の光が線になり、それがいっぱい寄り集まってるようにみえる。これは……ズラララバライトが速すぎて光を追い越してないか? なんにそれ? どういうこと? そんなことを思ってると「ついたぞ」と言われた。

「は? え?」

「貴様の宇宙だ」

「ええ!? 早くない?」

 いやいや、倍ぐらいの時間かけて、私達宇宙を巡ってたよね? 帰ってくるの速すぎでしょ。数秒だったよ。時空歪んでた? ありえなくもないのが怖い。

「返ってくるのは簡単だ。どこに行くのか目的がはっきりしてるからな」

「巡ってたときは目的がなかったから、色々と見てただけってこと?」

「そういうことだ」

 どうやら返ってくるだけならどこに至って一瞬らしい。なんとまあ……いや待てよ。それなら……

「ねえ、それって一度行ったことがある場所なら同じように行けるってことだよね?」

「そうだな。目的地がはっきりしてるのなら、行くことも出来る」

「なるほど……」

 もうあの宇宙には要はない……と思ってたが、私だけで聖杯システムと同じようなのを組むなんて難しいと思うんだ。簡単に行けるのなら……使わない手はなくない? 私はなるべく楽して宇宙を成長させたいのだよ。

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