美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H609

「あなたがこの宇宙の管理をしてるドラゴン?」

「いかにも」

 いかにも……というその声、なんか透き通っててドラゴンにしては高くきれいな声をしてる。てかこのドラゴンはかなり美しい。私とは勿論違うベクトルだけど、ドラゴンの中ではトップに入りそうなくらい……というか私が観てきた中では間違いなくトップに入るレベルの見た目してる。

 細くしなやかな体はなんかS字を描いて佇んでるし、銀色の鱗は自ら光ってるかのようにきらきらしてる。そして羽も美して、背中に4つバランスよく生えている。しっぽは2つに分かれてて先端にはおしゃれにもきれいに加工されたかのような宝石が輝いてるしね。なにこのドラゴン……おしゃれさんか?

「あなた綺麗ですね」

「ふむ……それはどういうことだ?」

「え?」

 なんかこのドラゴン綺麗とかわかんないらしい。まあドラゴンだしね……といったらそれまでか。とりあえず私が誉めてるということをわかってもらおう。

「美しいってことですよ。私が観たドラゴンの中では一番です!!」

「矮小な一人の意見などなんの意味があるのか……」

 なんか面倒だなこのドラゴン。イラッと来ちゃったよ。私が他人に綺麗とか美しいとか言うなんてなかなかないよ!! まあ他人というか他竜だけどね!! そもそもが私とかと美的感覚ドラゴンは違うか。でも人間形態になったズラララバライトはイケメンだった。もしも美的感覚が全く違うというのなら、人形になったらブサイクになってもおかしくないと思う。

 まあ私の場合、人形になったドラゴンとかズラララバライトしか知らないから流石にサンプルとして少なすぎるけどね。

「それよりも、何をしにここに来た?」

「あなたが干渉してるこの宇宙の法則を教えてもらおうかと」

「それを知ってなんとする? 矮小な存在にドラゴンの干渉権は行使できないぞ」

 私が大胆不敵なことを言ってるからか、彼……いや見た目的には彼女はちょっとピリッとした空気を醸し出す。むむむ……流石にドラゴンとやり合うとか無理。私はまだ神にも至れてないんだよ? 神さえも恐れてるドラゴンと一戦なんて無謀だろう。しかもこいつ……強そうだし。

「この宇宙は色々と参考になることが多かったので私の星の参考にしようと」

「我に糧に成れと? ただ差し出せと誇り高きドラゴンにいうか?」

 やばいね。なんかおこおこな雰囲気が醸し出されてきた。これはやばい。しょうがない私は切り札を使うことにした。

「私、実はズラララバライトと友達なんですよね~」

「なんだと?」

 ピクッとその名前に反応するきれいなドラゴン。ふふ、やはりだけど古龍であるズラララバライトは有名らしい。 え? 他人の力でドヤっていいのかって? 私は使えるものは何でも使う系女子なのだ!!

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