美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H606

私たちはしばらくこの宇宙に滞在してた。まあ一週間くらいだけど。それで色々と彼らのノウハウというか、やり方を観てた。神ではない、けど神に認められて星を育てることを許された者たちがどうやって星を育てて管理するのか――そのノウハウを色々と教えてもらった。

 まあ大体彼らの超スーパーな技術があってこそでありそのスーパーテクノロジーがだいたいなんでも解決してるとわかったからあんまり参考にならなかった。なにせそんなスーパーなテクノロジーは生み出せない。

 なんとなく魔法でやっちゃってるからね。なんとなくの部分をテクノロジーは許さないみたいだ。けどやっぱりあの聖杯システムはこの宇宙に豊富なエネルギーをもたらす鍵だ。アホみたいにエネルギーの総量を増やしてる。それによって神でもないし、世界樹も一本もないようなこの宇宙でも、エネルギーに困ってないってことだ。

 いや、正確にはここの神がいる星には世界樹があるらしいけど、本当にそれ一本だけだ。一応滞在してる間に一回だけ遠目で観てみたけど、まあ至って普通の星だった。なんか隔絶してあるみたいで、文明もそこまでないような静かな世界で、ここの神はその星の人々と一個人として接しながら、過ごしてた。

 神の道楽ってやつをやってるみたいだ。なんとも羨ましい……うらやま……しいかな? 私なら、皆に崇め奉られたいからね。まあ出来ないこともないが……今の私の星の状態ではそれをやったところで……なんだよね。あまりにもまだまだ生活水準がね……せめて、この宇宙を管理してる彼等程……とは言わないまでも、近くまでテクノロジーが進めば……めっちゃ快適な生活できそうではある。

 でも彼らのテクノロジーを教えてもらっても、私では理解できないから、意味ないっていうね。私ではそのテクノロジーの一端も教えることは出来ない。だからまあ、彼らが使う魔法的な方を納めることにした。

 神である私が人間に「教えてー」なんて言えないんだけどね。いや、私の場合は甘えれば簡単に教えてはもらえるけどね。でも流石に無駄がない術式とか観てると目が滑る。それにやっぱり独自の……この宇宙の法則に則ってるからね。そのままでは使えないし……難しい。

 というわけで、最後にこの宇宙の法則の一部を司るこの宇宙の管理者であるドラゴンに会いに行くことにした。けどある程度宇宙を進み、ブラックホール的な物を見つけた。そしてそこに飛び込めとズラララバライトがいう。

「ついてこないの?」

『我が行ったら、奴は拒否できないだろう。だがそれは軋轢になる。ドラゴンは元々、他の宇宙には干渉しない盟約だ』

 とのことでついてきてくれないらしい。欲しいものは勝ち取れと……そういうことね。まあ基本楽したい私にとっては面倒な精神ではあるが……可愛い私ならどうにかなるでしょう。というわけで、私はズラララバライトから離れてそのブラックホールに飛び込んだ。

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