美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H595

ヌーベが七色の光線を放った。それはなんかすごくて、宇宙の彼方まで飛んでいったよ。その彼方に星があったら、もしかしたらその星ごと消し飛ばしててもおかしくないほどの威力だった。今までは目の前の彼らを見てなかったヌーベだったけど……今のは違うね。

「敵として認識された?」

「やる気になったようだな。本当の戦いはこれからだろう」

 今までのヌーベは分裂することにこだわってた。そうすることで自身を生かそうとしてたんだろう。どうやらヌーベには強い生存本能があるみたいだからね。いや、分裂本能? そもそもが全ての宇宙にヌーベの因子があるらしい。だから別にここにいるヌーベが全て仮に消滅したとしても、そのうち復活するんじゃないだろうか? 因子とはそういうものだ。

 だからこそ、私の因子が宇宙に残るのを嫌う神もいたわけで……てかヌーベたちは因子があることを知ってるんだろうか? そこら辺の自覚ってよくわかんない。まあ自覚があったら、もっと大胆に行動しそうではあるけど……そもそも頭とかないんだっけ。

 そう思ってると、なんだかこの星を守る彼らの動きも変わった。まん丸いボールみたいなやつに乗ってる彼らは前に出るやつと、そして後方に残るやつとで分かれた。そして前に行った奴らがヌーベへと攻撃を仕掛ける。じゃあ後方は何をするのかというと、まもりらしい。さっきのヌーベの光線。七色のやつね。あれってヌーベの最大攻撃だと思うじゃん……けどどうやらそうじゃないらしい。

 むしろ一番凡庸に出来る攻撃……みたいだね。でもその威力はアホみたいだ。エネルギーの大きさがえげつないからね。直撃すれば、星だって砕くことが出来るだろう。だから前にいる機体は避けてる。けどそこで後ろに配置されてる機体の出番だ。

 なにせ星を壊せるほどの攻撃だ。そのまま何回も何回も放たれるのをただ観てると、この宇宙はめちゃくちゃになるだろう。だからこそ、後方の機体がいるみたいだね。後方の機体はなにやらこの中域に何かをしかけている。なにか小さなものを放ってるんだ。きっとそれのせいだと思うが、なんかヌーベが放ったブレスが曲がる。

 それがどういう理屈なのか……理由なのか……私には全然わかんない。でも確かに曲がってる。実際、ヌーベの攻撃は貯めが入るからわかりやすい。そうなると一斉に後方の機体が動く。ビーム自体はまっすぐに進む。

 それを曲げることに意味があるのかよくわかんない。だって仲間たちは全員避けてるからね。多分星を守ってるとか……そんなんだと思うけどね。

「あれって何が起きてるの?」

「力場だな。その差異で強力な力を操ってる」

 ふむ……なんかズラララバライトはひと目見たらだいたいなんでも分かるね。便利なやつである。

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