美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H571

どうやらこの場所というかこの人達の価値観では服を無闇矢鱈に変えるのはふしだらなこと……らしい。特別な姿を見せるのは大切な人達の前でだけ――という事は……

「じゃあ、家とかではその服じゃ無いって事ですか?」

「そうですね。これはやっぱりぴっちりとして気が引き締まる服ですからね。家では誰もがとは言いませんが、もっとゆったりとした服を着ています」

「なるほど」

 流石にこの人達の常識を変える……なんて事は出来ない。お呼ばれでもしたら、カワイイ服とか観れるんだろうけどね。私達はここにそんなことをしに来たわけでは無い。強い魂が集まってる宇宙で、更にその人達が自由にやってたらどうなるのか……ってやつを観に来たのだ。

 まあその結果は、この人達をみてればわかる。テクノロジーも文化も相当にレベルが高いと言うことだ。だって宇宙の裂け目に建造物を作って、自分達の手によって星に手を加えてる……それってもうさ……ほぼ神じゃん。神と同じ事をやってるよ。

 いや、神は星を作り出して生命を授けてるから、まだ神には一歩くらいは及んでないと思うけど……やってることはほぼほぼ私と変わんないと思う。上手くそれこそ空気とか地形とか、条件が合えば、彼らが手を加えた星でも、生命は誕生するだろうしね。もしかしたら神という視点では無くて、この人達が独自のやり方での星の運営があるかもしれない。

 それはそれは興味がある。私の一番の興味はカワイイ自分ではあるし、次にはカワイイ他人とかだけど、私のためになることはどん欲に吸収したい年頃だ。

「そういえば、ここに来る途中で沢山の星を見ました。何処も綺麗な星でしたね。アレは貴方たちか手を施してるのですか?」

「ええ、テラフォーミングをしてるんですよ」

「それって星の再生とかいう奴?」

「その通りですね」

「ど、どこら辺を再生したんですか?」

 私達が見た限りでは、とても綺麗な星で緑も水も豊富だったし、動物もいっぱいいたけど……テラフォーミングをどこら辺にあたえてたのか良くわかんない。

「全てですね。この宇宙をラーゼ様はどう思いますか?」

「え?」

 なにその質問。女の子を困らせるような質問をするものじゃ無いよ――と言いたいが、別にそういう事じゃ無いだろう。何か感じることがあるなら言ってください――的な軽い感じの事だ思う。けどそれでいてここで本質を突けば私の株はきっと上がるだろう。

 この神、ただ可愛いだけじゃ無いな――的なさ。そうなると負けるわけにはいかないよね。

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