美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H566

「ふう、これでどうだ?」

「おおー似合ってるにあってる」

 私は感心してパチパチと手を鳴らす。私の前には不思議な髪色の長髪の美青年が立ってる。胸板が大胆に開いた服を着てて、その服は上下一体みたいだ。そしてなんか目力が凄い。これが誰かというと、もちろん古竜ズラララバライトだ。私がこの人達の建物の中に行くことになって、それでズラララバライトも付いてくるためにゼロからこの魔法を生み出してきたみたいだ。

 ドラゴンとか普通に人型になれるのかと思ってたけど、それをいったら――

「そんなわけは無い。必要など無いからな」

 ――と言われた。まあ確かに、別に人型になる必要性ってよくよく考えたら無いよね。別にズラララバライトは他の生命体に寄り添うような事をしてるわけでもないし……ね。でもこうやってやれば出来るんだから、やっぱり古竜は特別なのかな?

 それともドラゴンならこのくらいは簡単なのか。サイズ感を合わせてくれたようだけど、それでもかなり人型になったズラララバライトは大きい。二メートル以上有るんだよね。まあそれでもまだ普通の域だとは思う。

 逸脱しては無いからね。

「その容姿はどうやって決めたの? 格好良いけど?」

「別にこだわったわけでは無い。ただ自然とこうなった」

 なんか変化したドラゴンとか美形になる印象が強い。私の中にある物語のせいだけど……でも事実としてそうなってる。ズラララバライトはとても美形だ。こだわって作ったんじゃないんだね。そもそもきっと私とズラララバライトの美的感覚って違うと思うんだよね。一緒な訳ない。だってズラララバライトはドラゴンで私は人間である。厳密には私は人間ではないが、心は人間だ。

「変か?」

「ううん、格好良いと思うよ」

 私がそういうと、やさしく「そうか」というズラララバライト。なんかその笑顔が眩しかった。ドラゴン形態の時には笑ったとしても恐れしか無いが、今は別だ。超美形なイケメンがふわっと微笑むと破壊力がヤバい。

 それにどっちかというとズラララバライトの人型はけっこう怖そうな感じもある。イケメンだけど厳しそうと言うか、そんな顔だ。けど笑うとその堅さが無くなって、知的な面が出てくるというか……これがギャップ萌えって奴だね!

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