美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H550

「それってどうやって他の宇宙から魂をもってきてるの? 交渉して?」

『そうではないか? 神のはかりごとなど我はそこまで知らないからな。だが双方にとってメリットがあるからな。平和的にやってるんだろう』

 私も別の所の神と交渉しようかな? それで厄介だけど、強力な魂を手に入れる。そもそもが成熟した世界では厄介でも、私の星では引く手あまたである。こんな神自体がやる気も無い、不毛の星に貰われるくらいなら、私が有効活用をしてあげたい。だってこの宇宙にはマジでなにも無い。

 ただ地力がある魂が集められてるから、なんとか維持できてる……そんな感じだ。だって強力な魂を持つ者達を別にこの世界で生かしてるのか……といえば全然そんなことは無い。ここの神はどうやら育てる気……が無いようだ。

 だって数ある星はどこも凍えてる。食べるものなんて有るのかどうか……当然文明なんてのは無い。

 

「あれでどうやって力を維持してるわけ?」

 そもそもが少ない魂を追い詰めてるよね? 増えるなんて事もないだろうし……なにせどこを見ても皆さん個別に雪の上で寝転がってる。何かを食べてる様子なんてない。皆さんガリガリで申し訳ない程度の腰巻きとかしてるだけ……地獄かな? 

『この星に連れてこられて魂は死と転生を延々と繰り返してるんだろうな。その時のエネルギーだけで世界と力を維持してるんだろう。魂の質は良いんだ。だからこそ、死と転生の時に溢れるエネルギーを回収するために……イヤそれだけのための世界なんだろう』

 どうやら魂が一番輝くとき、それは生と死の瞬間らしい。生の時には世界からエネルギーが生へと流れる物のような気がするけど……魂が現世に戻る時には発生もするらしい。

「まるで魂の牢獄だね」

 私は思わずそう言った。逃れることができない、生と死の牢獄。生きてても過酷すぎるじゃん。待てよ……

『ねえ? この世界でどうやってあの人達は生まれてるの?」

 私は思った。だってこの世界ではチョメチョメ出来ませんけど? それなのに生まれる? どういうこと?

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