H548

早速新たな宇宙へと来た。速いって？　いや私もびっくりだよ。でも考えてみたら次の宇宙まで羽をバサバサとして飛ぶなんて事をドラゴンが……いや古竜がするわけが無かった。だってあいつら、空間壊してやってきてたじゃん。つまりはこいつらは宇宙間を飛ぶ必要なんて全くないと言うことだ。けどどうやって目的の宇宙を目指してるんだろうか？

『そんなのは匂いでわかる』

「はあ……匂いね」

　確かにドラゴンの嗅覚ってなんか特殊だった気がする。けど大体宇宙ってめっちゃ広大なのに匂いって……ぜったいにそれって匂いじゃ無くない？　

「じゃあここもなんか面白そうな匂いしたとか？」

『いや、適当だな。適当にかみ砕いた空間に繋がった場所に来ただけだ』

　どうやら私に見せたい宇宙とかがある訳じゃ無いみたいだ。今回の宇宙はなんかガスが多い気がする。至る所で爆発が起きてるね。こんな宇宙にちゃんと成長してる星があるのだろうか？　

『管理が行き届いてないな』

「やっぱりそうなんだ」

　確かにこれは管理されてるとは思えない。なにせ宇宙には爆発も多いが、それにともなって出来る星の破片もめっちゃある。それにこの宇宙……星雲とかそういう星の集まりが無い。所々に星は出来てるが、何処も放置されてる感じが否めないね。近くまできて、覗いてみるんだけど、大体は凍ってる。なにせ太陽が無いからね。爆発が起きてる星の近くは危ないからどの星も孤立してしまってる。

　だからどの星にも熱が足りないみたいだ。これでは生命なんて誕生しないと思うが……

「これってここの神は何をしてるの？」

　いや何を狙ってるのか？　私にはわかんない。神とは星を発展させて命を増やして、その力を高めようとするんじゃ無いの？　ここの神にはその意思が一切感じれないよ。

『どうやらここの神は自身で命を育む気は無いらしい。だが、魂は集めてるみたいだぞ。よく見てみろ』

　そういうから近くの星を神様アイでよく見る。すると氷に覆われた大地に僅かに魂が見える。なんで？　生命なんて生まれないだろうに……それに神様アイで観てると魂にも違いがあることにわかる。まあ大体違うんだけど……なんというか、魂に宿ってる神の因子が違う。それってつまりは宇宙が違うはずで……同じ星に違う因子を持つ魂があるなんておかしい。

『あれは追放された魂だな』

「追放された魂？　なにそれ？」

『そのままの意味だが？』

　でしょうね。でもおかしいじゃん。魂って追放される物なの？　だって世界樹で……いや、世界樹じゃ無くても、魂は輪廻で浄化される。わざわざ追放なんてする必要が無い。だって魂の数は神の力だ。わざわざ力を手放すような事をするだろうか？　まあここにしてあるんですけどね。

　私はズラララバライトにもっと深い説明を求めるよ。