美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H529

「こんな辺境でサボってて良いの? 古竜が一丸となって宇宙の中心を抑え込んでるんでしょう? 」

『なぁに、我は今は担当外だからな』

「なにそのシフト制……古竜で廻してるの?」

『まぁそうだな。暇ではないが、余裕がない訳でもないのだ。なにせ我ら古竜は存在が極まってるのでな』

「極まってる?」

 

 それってどういうこと? 存在が極まってるなんて表現使った事無いからわかんないよ。私的に使うなら、私の美は極まってる……とかだろうか? 

「我らは存在として全てが上という事だ。かっはっはっ!」

 その図体で笑われると、星とかが吹っ飛んで行きそうだから止めて欲しい。まあ確かに、古竜が全員こんな図体してたら、スケールが違うけど……力も……ちょっと探ろうとしてみるとその深さ……に驚かされる。実際深い力ってのは感じたことある。事、ゼンマイやアクトパラスとかは私でははかれないくらいの力を持ってるからね。

 でも……それでも圧倒的だと思える程に、古竜ズラララバライトは深い。深淵……そう表現しても良いような……あたかも覗いちゃうと、呑まれそうな気さえする。

『それ以上は止める事だ。戻れなくなるぞ』

 ふと、そんな事を古竜ズラララバライトは言ってきた。こいつ、私がズラララバライトの力を探ろうとしてるの、気づいてた様だね。いやはや、流石古竜様。

「そうですね。止めておきます。それでは何かこう、伝説とか無いんですか? 長く生きてる古竜なら、なにか逸話とか沢山残してるんじゃないんですか?」

『ふむ、そう言うのは自分では自覚などないものだからな。我らともなると、くしゃみ一つで星など消え飛ぶ。だから他の生物か戦々恐々とする事だとしても、我らはなんとなくやってる事なのだ』

「自覚無く伝説残してるから、自分ではわからないと?」

『ふむ、まあこんなに我に話しかけてくる奴も珍しいからな、思い出くらいは話してやろう』

 なんか妙に古竜が優しい。私のこと孫だと思ってるのかな? まあそれはそれでお得である。私は全力でおじいちゃんに甘える孫を演じよう。

「わぁーい楽しみ!」

 一応媚び売っておこうかとおもってそんな風に言ってみた。

『うむ、言葉だけではわかりにくいだろう。貴様の思考に同調するぞ』

 なんかそんな事を言ってきたかと思ったら、いきなり頭がズキンと痛んだ。そしてその頭の痛さがどんどんと増していき、「あぎゃああああ!」とか私が出した事無い声出た。そして私の意識は沈んでいった。

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