美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H528



 古竜『ズラララバライト』がこの宇宙の管理者……というか管理竜になった。それによってアクトパラスとその他のドラゴン達に寄って繰り広げられてた戦いが終わった。終わったというか……他のドラゴン達はそそくさと立ち去っていった。そこら辺は後腐れは無いようだ。

 あれだけ激しくバチバチとやり合ってたのに、その引き際ときたら見事な物だった。もしかしたらここに来てた奴等で一丸となって古竜にでも挑むのかと思ったけど、そんな奴等は一人もいなかった。それだけ有名な奴なのかもしれないね。

 この古竜『ズラララバライト』とかいう古竜は。

「ズララはさ。どの程度の位置にいるの?」

『なんだ弱気存在よ? 我の立ち位置が知りたいという事か?」

「そうそう。古竜って言うくらいだし、そこらの竜とは違うんだよね? それになんか宇宙の中心に近い所に普通ならいるんでしょ? ここって辺境でしょ?」

 私はなんとはなしに古竜ズラララバライトと話してる。別になにか特別な許可を貰った……とかではない。私にとってはドラゴンなんて旧知の仲……みたいな物だ。まあ私が勝手に思ってるだけだけどね。

 なにせゼルと長年魂の回廊で繋がってたからね。既にその繋がりはなくなってしまってるが……あわよくばこの古竜ズラララバライトとその繋がりが持てれば、私は再び最強……いや、ズラララバライトはかなり強いドラゴンだからね。宇宙最強の力を手にする事も夢ではない。むふふ……だよ。

『宇宙には実は辺境など無い。全てが中心になれるだけの下地はある』

「へぇーそうなんだ」

『うむ、ただ今の宇宙の中心は悠久と呼べる時が流れすぎて、それらがいじまじってしまってる場所だ』

「ええ? それって大丈夫なの?」

『大丈夫ではない。だから我ら古竜が抑えこんでおる』

「ええ……でもなんか私が知ってる資料には中心には宇宙の全てがあるとかないとか……」

 ものすごい領域を支配してる的なさ……だからこそ、ドラゴン達はそれにすこしでも近づくために新たな宇宙を支配下に置いて自分達も強くなろうとしてるみたいな? そんな書かれかたしてるよ? 宇宙の中心に至るのはドラゴンと神々の悲願である……みたいなさ。てもなんかズラララバライトの言葉を聞くに、そんな羨ましい場所ではないような?

『全てあるだろう。だが、それを制御など出来ようはずもない。我らが頑なに隠してるからな。それであの場所は特別だとそう思ったのだろう』

「なるほど……」

 そういうの往々にしてあるよね。本当はたいしたことないのに、下手に隠そうとしちゃったから、周囲には凄い隠し事があるように思われちゃうって言うね。

「でも、その古竜達の押さえも効かなくなったらどうなるの?」

『宇宙は消滅するだろう。中心だけではない。全ての宇宙が無に帰す』

 特別感、めっちゃあった。てか、それならおいおい、こんな所でこの古竜はサボってて良いのか? と思えてくる。

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