美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
H517
「愛が違うね。そんなのどうだって良いのよ。誰もが私を愛して、崇めれば、それが私の求めてる愛だもの!!」
そう言ってベルちゃんが手を掲げると、黒い炎が頭上に滾る。
「御託なんてもう良いわ。やっぱり私たちわかり合えそうもないし、アンタの事、わかりたくもない。私の前から消えなさい」
放たれる黒い炎が辺りを飲み込む。けど、聖女ちゃんの光は絶えない。
「求めてばかりでは愛とは言えません。与え合うものが愛なんです! 私には皆さんに沢山の幸せを貰ってます。だからそんな幸せを返したいから頑張るんです!! 私のこの力は確かに女神様から授かいましたけど、それこそが皆さんを幸せにするために使う力だからです!!」
「そういうきれい事、聞き飽きたのよ!!」
「私は貴方の事も諦めません! だって、貴方の国には貴方の帰りを待ち望んでる人だっています!!」
「私は、もう以前の私じゃないのよ!」
聖騎士と目玉の化け物がぶつかり合い、そしてベルちゃんと聖女ちゃんがぶつかり合う。綺麗な構図が出来上がってる。本当なら聖騎士達はさっさと目玉の化け物をたおして聖女ちゃんの加勢に行きたいだろうが……でも聖女ちゃん的にはこれでいいのかもしれない。
なにせ聖騎士や天使騎士がやってきたら問答無用でベルちゃんを斬りそうだからね。それをまだ聖女ちゃんは望んでない。てか望みそうもない。聖女ちゃんはあくまでもベルちゃんを生かす気だ。
「でも、貴方は化け物でもありません。こうやって話をして、そして以前の記憶だってちゃんとある。それはきっと凄い事です! 貴方は凄いです!! 凄い事をやってるんです。私よりも、希望に成り得る力を確かに貴方は持ってる!」
「それでもアンタがいたら皆アンタをみるわよ! 私はね、アンタが嫌いなの!!」
生理的嫌悪って奴だろうか? 実際、ベルちゃんと聖女ちゃんにはそんなに繋がりはない。だからここまで嫌う理由もないような気もするが……ベルちゃんはなまじ人気があったから、その人気を全部聖女ちゃんに持ってかれてイヤになったんだろうね。
自分に自信があったからこそ……って奴だね。
「私は嫌いじゃないですよ」
「――っつ!?」
あ、今ベルちゃんからプツンって音が聞えた気がした。ここまで言っても聖女ちゃんは彼女の理想を諦めたりしない。その意思の強さは流石だけど、あの優しげな、それこそ聖母のような笑顔が、ベルちゃんには自分のこの思いをあざ笑ってるかのように思えたのかもしれない。
勿論被害妄想で、ただ純粋に聖女ちゃんはベルちゃんを嫌ってないだけだろう。でももうなんだって苛つくのだ。だからベルちゃんは今の一言で……キレた。ほんとに人の感情って面倒だね。
そう言ってベルちゃんが手を掲げると、黒い炎が頭上に滾る。
「御託なんてもう良いわ。やっぱり私たちわかり合えそうもないし、アンタの事、わかりたくもない。私の前から消えなさい」
放たれる黒い炎が辺りを飲み込む。けど、聖女ちゃんの光は絶えない。
「求めてばかりでは愛とは言えません。与え合うものが愛なんです! 私には皆さんに沢山の幸せを貰ってます。だからそんな幸せを返したいから頑張るんです!! 私のこの力は確かに女神様から授かいましたけど、それこそが皆さんを幸せにするために使う力だからです!!」
「そういうきれい事、聞き飽きたのよ!!」
「私は貴方の事も諦めません! だって、貴方の国には貴方の帰りを待ち望んでる人だっています!!」
「私は、もう以前の私じゃないのよ!」
聖騎士と目玉の化け物がぶつかり合い、そしてベルちゃんと聖女ちゃんがぶつかり合う。綺麗な構図が出来上がってる。本当なら聖騎士達はさっさと目玉の化け物をたおして聖女ちゃんの加勢に行きたいだろうが……でも聖女ちゃん的にはこれでいいのかもしれない。
なにせ聖騎士や天使騎士がやってきたら問答無用でベルちゃんを斬りそうだからね。それをまだ聖女ちゃんは望んでない。てか望みそうもない。聖女ちゃんはあくまでもベルちゃんを生かす気だ。
「でも、貴方は化け物でもありません。こうやって話をして、そして以前の記憶だってちゃんとある。それはきっと凄い事です! 貴方は凄いです!! 凄い事をやってるんです。私よりも、希望に成り得る力を確かに貴方は持ってる!」
「それでもアンタがいたら皆アンタをみるわよ! 私はね、アンタが嫌いなの!!」
生理的嫌悪って奴だろうか? 実際、ベルちゃんと聖女ちゃんにはそんなに繋がりはない。だからここまで嫌う理由もないような気もするが……ベルちゃんはなまじ人気があったから、その人気を全部聖女ちゃんに持ってかれてイヤになったんだろうね。
自分に自信があったからこそ……って奴だね。
「私は嫌いじゃないですよ」
「――っつ!?」
あ、今ベルちゃんからプツンって音が聞えた気がした。ここまで言っても聖女ちゃんは彼女の理想を諦めたりしない。その意思の強さは流石だけど、あの優しげな、それこそ聖母のような笑顔が、ベルちゃんには自分のこの思いをあざ笑ってるかのように思えたのかもしれない。
勿論被害妄想で、ただ純粋に聖女ちゃんはベルちゃんを嫌ってないだけだろう。でももうなんだって苛つくのだ。だからベルちゃんは今の一言で……キレた。ほんとに人の感情って面倒だね。
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