美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H471

「あらら」

 悲劇……それは世界のどこかでいつだって起きている。神の視点になるとそういう悲劇も「あらら」で済ませてしまうんだね。私は自分が呟いた言葉が不謹慎だったかな? とおもってちょっと手で口を押さえた。だってあらら……なんていわれたら、悲劇の当事者は怒っちゃうでしょう。
 でも……ね。私的にはそう……ストラテジーゲームをやってる感覚というか……人々の事が個々の命ではなく、一つのユニットのように見ちゃうんだよね。これが神になった事への弊害かも知れない。私だって向こう側だったのにね……神の立場になって星を……銀河を運営する側になると、ある意味一つの悲劇……美味しいです――とか思ってるからね。

 なにせ激しい動きはそれだけ大きく世界が動く。今は星に大きな勢力もなく、小競り合い程度だけど、だからこそ、停滞しないでどんどんと動くというかね。大きな国が世界を支配したら、そこの中での発展を願うしかないじゃん。でもそれって宇宙規模で見たら、停滞してるようなものなんでは? ってなんか思えてきた。私がなんでこんな糞面倒なことをやってるかといえば、偏に星の記憶が欲しいからである。それも濃厚な奴ね。はっきり言って、私には星の数でアクトパラスとゼンマイに上回れる道理はない。けどそれなら、濃さで勝負するかしない。そうして星の記憶を取込むという感覚を私は培って、その内、別宇宙で発生してる星の記憶を得るのだ。課題はありすぎるけど、きっとどうにかなるだろう。そのためにもせめて私の星達は濃くないといけない。
 だから私が放った人々が星の中で仲良くせずに、顔を合わせたら魔法をうちあってどっちかを肉塊に変えるのを楽しむようになったとしても……それはそれでまあいっかな? って思ったり。

「まあけど、あんまり負の感情が大きいとなんかそっちに引っ張られる感じがするね」

 私が……じゃない星が……その力がだ。本当ならそういう負の感情をとかまでまっさらにするのが世界樹の役目なんだと思う。実際クリスタルウッドはそこら辺も浄化してたと思う。魂をまっさらにして輪廻へと送り出してた。輪廻とは宇宙を超えて繋がる魂の流れ……みたいな物だね。魂の天の川みたいな? なにせ世界樹で漂白したとしても、その世界でだけ魂が回ってたんじゃ、色々と不都合があるみたいな? いやそれかただ単純に、一番最初の世界樹と実は全ての星の世界樹というのは繋がってて、それを通して魂は巡ってるだけなのかも知れない。
 ただ誰も都合が良いから深く考えないだけなのかも。

(でも私が作ったアダムとイヴ達は輪廻には帰らないんだよね)

 多分まだ自立した魂とは認められてないみたいだ。でもアダムとイヴ達の息子や娘には魂と呼べる物が宿ってるみたいな? 最初のアダムとイヴ達が死んでも気づかなかったけど息子や孫クラスが死んだときには、なんかその流れ? 的な物が見えた。星の成長と共に、私も色々と知れて言ってる。うむうむ良い事だね。

 そんな事を思ってると、なんか凄い力をもった個体が私の星に誕生してた。悲劇……それが人の感情に何をもたらすか……私は忘れてたみたいだ。

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