美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H468

 世界樹の種を発芽させる。これにもエネルギー必要だ。それに色々とこの時点で決めないといけないことがあるみたいだ。それにはこの星をどういう風にするか……だ。世界樹が発芽して、成長するとその変化は劇的になるらしい。そんなに変化あったかな? とか思ったけど、もとから安定してた世界だったんだよね以前は。
 あれを安定してた……といっていいのかといえば微妙なんだけど……でも出来たばかりの星よりはよっぽど大地とか自然は安定してた。そういうのを一気に世界樹が出来ることで地盤を固めることが出来るみたいだ。

「とりあえず発展させたいよね」

 漠然とそう思う。けど発展とはどうするのか……それは争いである。ある程度の力を与えて、そして知的な生命体を星に発生させる。すると勝手に争い出す。最初はそれこそどちらかが滅んでいくんだろう。でもその度に新たな敵を作りだす。そのうちきっと考えると言うことを覚えるだろう。
 そしてどうやったら、勝てるか……負けないかを考えることになる。そんな考えが競争力になっていくんだろう。発展と争いは引き剥がせない。それは……

「まあどうでもいいか」

 私は別に善人ではないし、宗教家とかでもないのだ。沢山の命が散っていくからといって、それが悪いのか……別に……である。ここで心優しい人なら、もっともっと考えて平和な世界を実現させるのかもしれない。でも私には……

「待てよ……最初から絶対の正義を提示すれば……」

 そう、この世界は私だけのルールを押しつける事が出来る。なら私の絶対正義「かわいいは正義」を貫き通すことができる。可愛いさえ世界に満ちれば、平和で、更に発展するんじゃないだろうか? 争いの形を可愛いに置き換えれば……普通はそんなことはできない。でも、ルールを決められるのなら、できる。まあでも可愛いを巡って争うようになるだけ……のような気もするが……でもある意味絶対のルールが『可愛いは正義』の世界を見てみたい気はする。
 単純にそういう世界がどうなるか……見てみたくない? 私は見てみたい。どうせ私の世界だ。好きにやって良いじゃん。
 そんな身勝手なこと、そこにすむ、生まれる命にとっては迷惑なのかもしれない。ふざけんな神様! とか言うしおもうのかもしれない。私だって地上で生きてた時、何度も神を呪ったと思う。でもそれであの世界の神に何か出来たかと言えば、そんなのはないだろう。
 結局あの星のルールで私達は戦ってた。そういえば気になることがあったや。

「ねえゼンマイ。あんた達って元の世界の神には会ったことあるの?」

 私はないけど、もしかしたらアクトパラスとゼンマイならあるのではないだろうか? そう思った。だって、あの世界にも神とかいたはずだろう。ならあれだけ好き勝手やってたアクトパラスとゼンマイなら神に会っててもおかしくない。

「アレか……いっておこう。アレは、我らのような新参の神とは格が違う神だ。貴様が気にする必要は無い」
「ふーん」

 まあ興味も無いんだけど……ただ会ったことはあるんだね。でもゼンマイにここまで言わせるとは……どうやら私たちの元いた世界の神はかなりの高位らしい。そんなことよりもルールだね。私はもちろん「可愛いは正義」を真っ先に刻み込んでやった。

「よし」

 満足だ。

「美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く