美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H463

 ようやくここまできた。今私は銀河を覗き込んでる。銀河には一つの太陽系が出来てて、その中にいくつかの恒星が回ってる。赤い奴に白い奴に青い奴に黄色い奴だ。なんか色々と星って色があるよね。まあどれもまだ殺風景だ。でも星となって、その内部は気候を得た。マグマは引っ込み、大地が現れてる所もある。水が出来て、海が出来る。そうなるど命が生まれる。

 結局の所、私が作った星の種は再び太陽へとなったわけだけど、どうやらそれで良いみたい。特別に神が放った星の種が太陽に居たり、その影響で更に星が出来て、その熱と力を与えて銀河系というか体系が形成される。言うなれば今できてる太陽系は『ラーゼ太陽系』である。うむうむ……なかなかに……いやダサいな。普通に太陽系でいいや。でもなんか物足りなくはある。もっと別の理で生まれる銀河系があってもいいのではないたろうか? まあそれがなんなのかは知らない。
 
『ママ……美味しい物出来る?』
「出来るわよ。ドラクがもっと頑張ればね」
『頑張る』

 ドラクと言うのはドラゴンのなれの果てだ。ドラゴンにはなれなかったが、なんかどんどん成長はしてる。黒い領域が広がってて、そこからいくつもの手のような物が伸びてる。今は私の身長よりも大きくなったから、勝手に結界の外に手を伸ばしてドラゴンの一部分を勝手に取込んでる。
 まあ時々、戦闘の余波で触手がぶったぎられるけどね。最初はその度に断末魔を叫んで五月蠅かった。けど私が怒ったら叫ばなくなった。どうやら本当にドラクは私をママと認識してるらしい。それにどうせドラゴンたちの戦いの力を受ける    なら、その一部でも取り籠め――って言っておいた。そしたらみるみる大きくなった。
 多分だけど、残骸よりも今この瞬間に乗ってる攻撃の方が力の新鮮度? とかが違うんだろう。攻撃された方が美味しいってドラクも言ってる。そしてそんな成長したドラクに星の成長も手伝って貰ってる。なにせ私より明らかに力強大だしね。使わない手はない。まああんまり干渉してもいけないらしいけどね。
 でも最初くらいはいいじゃんって気持ちで太陽に至らせたのだ。そして塵芥をドラクの手で集めてギュッギュッと固めて、お手軽に星を作った。私の太陽系の周りの恒星達はそれだ。そして爆発とかも色々引き起こして、太陽の熱を徐々に中心にため込んでいくと、まるで生き物のように星がなった。本当の意味でも星が命をもったのは多分そのときだ。

 太陽の影響で星は命を芽生えさせるみたい。よく見ると、なんか繋がりが見える。これが私の力の影響下にあるって事なんだろう。そしてそんな星の一つで小さな生命が誕生する。きっとプランクトン的な物だろう。なんか分かった。後は彼らが進化していけば……

 神はどうやら星の力を得られるらしい。星の力とはその星で生きる人々の力だ。だから星に生命を増やして繁栄させればそれだけ自分の力も増える。私もそれが適用されるのか……それはわかんないんだけど、でもポジション的には私もアクトパラスとゼンマイと一緒だと思うから、多分出来る筈だ。
 流石に本物の神になってるアクトパラスとゼンマイには及ばないと思うが、それでもある程度力が増えれば、出来ることは格段に増えるだろう。どんどんと私の力で作った星を増やさないとね。

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