美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H455

 星の種にドラゴン肉を貼り付けて強度……というか事前に力をまとわせておくという私の作戦はなかなかに上手くいったと思う。最初にガチャガチャと沢山のドラゴンの肉片と欠片をつけて私の力を少しプラスして銀河に放つ。すると面白いほどに周囲の小惑星とかが集まってきて、今までの最高記録を達成した。まあけどまだ星とは呼べない。月にも及んでないくらいだろう。

 ドラゴンの肉片とかを過剰に取込んでるから、ほぼ私の制御なんて効かないんだけど、今の所は星の種自身が強力になってるからそれでも心配は無いみたい。それに比較的新しい銀河に放ってるからね。どの種よりも早く大きくなれば、全てを圧倒して星へと至れるような……そんな気がしてる。

 それからも順調に成長していく星の種は沢山の爆発を繰り返してた。大きくなるにつれて、ぶつかる他の奴も大きくなって、そいつらの中にはガスを蓄えてるようなのもあってそれが衝撃によって爆発するんだよね。そしてそれで軌道が変わる。それにそこらのミサイルとかよりもよっぽどデカい物の爆発だ。その威力はかなりの物で、それに耐えられなかったら、崩壊するしかない。
 けどそこはドラゴンの肉片やら欠片で強化してる私の星の種。なんとか耐えてる。でも……爆発のせいでせっかく寄せ集めてた外壁が剥がれたりもしてる。まあそれはまた増えていくから良いとは思う。そういうのを繰り返していくんだろうしね。
 それよりもその爆発は実は私の星の内部にまでその影響を残していくって事がわかった。なにせ元はただの石みたいな感じの星の種。それがどうやって星へと至って、更に命を宿すようになるのか……私は疑問だった。どうやらこう言う爆発の繰り返して星はエネルギーって奴を蓄えて行くみたいだ。
 次第に私の星の種の内部にもエネルギー的な物が宿るようになったと感じてる。しかも……だよ。私が最初に引き寄せてくっつけてたドラゴンの肉片とか欠片とか……それらも爆発で更に細かくなったりしてそれがどうやら星の種へと溶け込み始めたみたいだ。
 星のエネルギーだけじゃい、ドラコンのエネルギーを内包した星が出来ようとしてるぞ。これは期待大だ。いつの間にか私の星からは黒いエネルギーみたいなのか放出されてて、それが周囲の物体を次々と引き寄せていってる。これは間違いなく星へと至るだろう。勝ち誇ったね。

「ふふふ……なんだこれで正解だったんだ」

 あとはもう自由にさせとけば勝手に星へと至るような気がする。私は気楽に銀河を眺めてる。

「なんだ? 順調なのか?」

 私がほくそ笑んでたからかゼンマイがそんなことを言ってきた。私は「攻略法を見つけた感じね」といってやった。ふふふ、うらやましがるが良い。まあそんなことは無くゼンマイは「そうか」と言っただけだったけどね。つまらない奴だ。女の子が喜んでたらもっと一緒になって喜ぶか褒めてあげないといけないんだぞ? 
 女の子の扱いが分かってないね。まあゼンマイだし仕方ないか。

「ん?」

 ちょっと目を離した隙にかなり私の星は大きくなってた。というか……

「なんか周囲を食ってるみたいに見えるね」

 これはもう集めてる――というか食ってるよ。貪ってるという表現をしても良い。なんかこいつを中心にどんどん小惑星とか、星になりかけてる物体とかが集まってきてる。どうやらいつの間にか重力って奴を得たようだ。それは嬉しい。なにせ銀河のなかでも太陽系とか色々とあるじゃん。それが生まれようとしてるって事だろう。
 でもこのまま言ったらこの私の星を中心にした形態が出来るわけで……そのなかでの私の星の役割は太陽にならないだろうか? それでは生き物はいけてけ無くない? だって太陽には生き物なんていないじゃん。これは盲点だった……そっか……どこよりも早く成長したら、太陽になるしかないのか? てかそうなるのかな? でも太陽がなかったら、その銀河には生命も出来ないよね……

「むむ……このままでいいのかな?」

 よくわからない。でももしかしたら私の星が太陽となってその影響を他の星に及ぼしたら、他の星も私の星の影響を受けた星……と言うことになる? のかもしれない。少なくとも私の太陽系に出来た星はそうじゃないか? そんな期待を胸に私は銀河を見つめるよ。

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