美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H449

 新たな銀河に星の種を放った。けど……

「ちょっ!? いぎぎぎぎ……ああ! うーん! あぁぁぁぁ」

 声がしぼんでいく。なぜなら、私の星の種がどうにもならなくなったからだ。別に他の種に侵食されたとかではない。一応力は僅かながらにも通っては居んいる。けど……もう制御できない。

「なによこれ……」
「新たな銀河は荒れている。そう言うものた」
 
 ゼンマイがそう言って慰め? てくれる。まあつまりはそういう事だ。新たに出来てた銀河に星の種を投下してみたけど、メッチャ凄まじい荒れようで制御するどころではなかった。それだけ。いや、実際外から見てる分にはそんなに荒れてるようには見えなかった。確かに良く小惑星とかがぶつかり合ったり、なんかそこら中で爆発? ビックバンとか言う奴だろうか? それが起きてるとは思ってた。でも巻き込まれないようにすれば良いか――なんて思ってたのだ。でも甘かった。どうやらゼンマイが言うように安定してないっていうのはその言葉通りのようだ。

 なにせ投下してすぐにそれが分かったもん。今まではある程度星の種を誘導することが出来た。自分の力できっと強引にでも進路を変えてたんだろう。けど……私の力程度では、荒れまくってる銀河の流れ? というのには逆らえなかったよ。投下した次の瞬間にはなんかくるくる回ってた。進路とかなんとか考えてる暇無かった。そしてドカバカと小惑星とぶつかっていって、なんとかそれでも大きくしようとしたよ。
 だって大きくなれば安定するかな? とか思ったんだ。でもどうやら出来たばかりの銀河にある小惑星とかは爆弾なのだ。それは比喩じゃないよ。そのままの意味だ。なんとかくっついた小惑星が爆発とかした。全てじゃないが、そういう奴もあるみたいだ。どうやら中にガス? があるのかもしれない。それがぶつかった衝撃で爆発したりする。そのせいでその爆発で推進力を得ちゃうのだ。もうね、時速何百キロ出てるのかわかんない。そのうち私では追えなくなって諦めた。こうなったら薄い繋がりだけ維持して、放置しかない。そもそも放置しか出来ないし。

(なるほどね……こういうことも起きるからアクトパラスとゼンマイは星の種を大量に放置してるのね)

 流石にあれはどうしようも出来ない。けどちまちまやるのも……ね。何か根本的な解決方法はないだろうか? 私に圧倒的な力があれば、もうちょっとで星になりそうな奴を力で掌握する……と言うやり方がある。けどそれには私の力は足りない。何せ星に成り得る程の状態だと既に途方もないエネルギーを内包してるのだ。今の私は脆弱なのだ。それは無理……

「こうなったら逆転の発想だよ。星じゃなく、銀河に干渉してはどうだろう?」

 私はそう思った。

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