美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H446

「ううーん……はあはあ」

 私は顔を上気させながら頑張ってる。一体いつまでこんなことをしてれば良いのか……私は星の種をアクトパラスとゼンマイの銀河に放って、それに小惑星とかを引き寄せて大きくしてた。するとアクトパラスの影響下にある……多分向こうも星の種なんだろう……それに引き寄せられてぶつかった。そうなるとどっちが主導権を握るかってことになるらしい。力をより多く与えた方がその星を大きく出来る……ということらしい。
 何せ今のままではただの岩の寄席集まりだからね。星と呼べる物ではまだ無い。こういうことを繰り返していき、星と呼べるサイズにまでおおきくして行くみたい。だからここで負けるわけにはいかないんだけど……はっきり言うともう疲れた。だって向こうはアクトパラスの星なんだよ? きついって……確かに向こうはアクトパラスからの供給はない。けど元から与えられてるエネルギーが大きい。
 けどそれはそうだよね。なにせ銀河でいくつもの星を作らないといけないわけだ。私は一つだけ星の種を与えられたけど……アクトパラスとゼンマイはこの銀河にいくつもの星を作ってる。そしてその種はまさに無数ほどあるんだろう。一つ一つ面倒を見てる暇はない。
 運良く大きく……それこそ星となったらよし……成らなかったらそれまでって感じなんだろう。

「これって、じゃあこの銀河にはアクトパラスとゼンマイの力が混じった星なんかもあるんだ?」
「そうだな。寧ろ純粋に一つの力だけでなした星の方が少ないかもしれない」

 ゼンマイがそんなことを言う。まあだからこそ、私がこの星の種を食ってしまっても、べつにアクトパラスは文句なんて言わないって事だ。それは大切。下手に怒らせると私が殺されかねない。でも……ね。既にこっちが食われそうなんだよね。

「ちょっと手伝ってよ。このままじゃこっちがやられちゃうよ」
「そのときはそのときだな。下手に成長してる星の種に近づくのが悪い」

 アンタの説明不足でしょうが! と言いたいがそんなことを言ってもしょうがない。私はペコペコしてなきゃいけない立場だ。でも可愛らしく不満くらいはいっておく。私の事、少しでも愛おしいと思わせてないといけないからね。

「むー」

 とりあえずほっぺたを膨らませて可愛らしく抗議しておいた。そんなことをやってる間に私の星の種はアクトパラスの星に取込まれてしまったよ。まあただくっついただけだけど……私の力が弾かれるようになった。どうやら支配権がアクトパラスに移ったようだ。

「まあ適当にやってると、星まで成長する種は何億分の一くらいだからな。気長にやることだな」

 そんなことをいってゼンマイはまた一つ、星の種をくれた。何億分の一ってそんなの私はまってられないよ。今度はもっと慎重にやろう。

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