美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H436

 ゼルが負けてしまった。まあけど……結果はわかってた戦いだったと言える。なにせ動くのが遅すぎたのだ。アクトパラスとゼンマイがここまで力をつける前にゼルが動いてくれてたら……結果は色々と違ってたと思う。
 でもそもそもゼルは世界に過度に干渉しないようしてたみたいだし……しょうがないのかもしれない。

(まあ、しょうがないで済んだら苦労はないんだけど……)

 ゼルは死んだわけじゃないけど、既に意思はなくなったらしい。ゼルの顔にはゼンマイの機械仕掛けのヘルメットのような物がかぶらされてる。あれでゼルを自由できるみたいだ。

「さて、次は貴様だな」

 そういうアクトパラスの声が聞こえた。やっぱり私も意思を持ったままでは都合が悪い? 私にはこの二人に逆らえる力なんてない。そもそもがゼルがああなってしまったことによって、私の力はメッチャ弱まってる。それそこ普通の人種並み。
 はっきり言って、もう天地がひっくりかえってもこいつらには勝てなさそう。一応ゼルが残してくれた物はある……でも……ここで私の意思を奪われたら、それも全て意味は無い。
 せめてなんとか星の記憶をかき集められれば……多分だけど、タイムデスケーションはまだ発動してるだろうし、ずっと記憶をはき続けてるはずだ。どうやらアクトパラスとゼンマイは新たなる宇宙の創造の方にかかるようだし、たぶんあれは放置しておくんだろう。
 そもそもが既にこいつらにとっては数多ある支配した星の一つに過ぎないみたいだしね。そんな辺境の星に構ってるよりも、これから作る自分達の宇宙が大事なんだろう。
 私だってこいつらの立場ならそう思う。だからまだわんちゃんあるような気がする。私が全てを超えて星の記憶とこいつらの蓄積した何かを超えれたら、タイムデスケーションの魔法は完全に発動して一発逆転が……

「あっ」

 そんなことをか考えてると口の中に何やらぬるっとした物が入ってきた。それは口の中でうごめいて口内を蹂躙してくる。涎が溢れて裸の体にかかる。てか私既に裸なんだよね。もうこれは襲われてると言ってもいい。
 そのうちきっと下の口にも……いやそんなの思ってる場合でもないけど……だって……メッチャ乱暴だし。女の子にはもっと優しくしなさいよ! って言いたい。てか――

 ごりゅ

 ――と喉の奥に更にアクトパラスの足が入ってくる。食道を通って胃までかき回してるかのような感覚。何したいのこいつ? マジで死ぬよ。そう思ってると、ズボッとなんか下半身が浮いた。どうやら下の穴にも突っ込まれたらしい。

「少し我慢しろ。すぐに馴染む。そうでなければ、そのまま死ぬだけだ」

 そんな声が遠くで聞こえてた。

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