美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H401

 私の即席な言い訳である私たちのクリスタルウッド植林計画は案外反応が良かった。マジで口からでまかせなんだけど……でも頭を使わずに口から直接出てきたにしては良い案なのかもしれない。

 なにせクリスタルウッドを植林出来れば、再びかつてのようなマナがこの星に満ちるかもしれない。とても希望的観測なのは誰もがわかってるだろうけどね。何せ世界の土地全てが世界樹となってるみたいだし。
 これを全て焼き払うって、流石のエデンでも現実的ではない。

「全ての世界樹を焼き払う前にアクトパラスとゼンマイがやってくるわよ。そうなったら私たちは……」

 ラリアがそう言って懸念を伝える。実際この暴挙を奴らが傍観してるわけもないだろうからね。今はまだ脚くらいしかやってこないからなんとかなってるが、本体がやってきたらエデンごと消滅させられるのは目に見えてる。

「世界樹を介して移動してるのなら、最後の一本を消し飛ばす前にはこれるだろうしね」

 この星って実際、なんか神の養成所? 的な所があるよね。だってここで勝ち上がった種は何か星が与えられるわけだし……どこの誰が与えてるのかは知らないけど、きっと更に上位の存在が居るんだろう。そしてかつてのこの星で上位になった奴らにも星が与えられてたから、数千年前に勝ち残ったアクトパラスとゼンマイにだって星が与えられたはずだ。
 そして脅威が無くなったからここの皆はまだ生きてるんだしね。でも歴史を紐解くにまた奴らは戻ってきたんだよね。奴らが残した世界樹を介して。
 その世界樹を焼き払ってるんだから、奴らが黙ってるわけ無い。この星の全ての木は世界樹らしいからね。実際私には普通の木にしか見えないんだけどね。
 クリスタルウッドの用に特徴があるわけでも無いし……

「狙うのならオリジナルなんだろうね」

 普通にそこらに生えてる木は量産型だと私は思ってる。何せ何も特別感無いからね。私の言葉を受けて、ラリアの奴がこう言うよ。

「アクトパラスとゼンマイのオリジナルの世界樹ってどこにあるの?」
「今探してるよ」

 クリスタルウッドはこの星から飛び出るほどの大きさだった。だからわかりやすかった。けど、今のこの星にそれだけ大きな木は無い。多分だけど、アクトパラスとゼンマイが隠してるんだと思う。

 一応歴史とか、エデンに残ってる記録からその場所を特定するようにいってたわけなんだけどね。

「候補はいくつかあるよ」

 そう言って私は囲んでるテーブルの中央にその映像を出す。まずはこの星の全容。そして候補の場所に赤い点がつく。その数は三カ所だ。多分ここなんじゃないかって候補をここに居るぐるぐる眼鏡の研究者が見つけてくれてる。

「私が説明させていただきます!」

 そう言って彼女が立ち上がった。オリジナルの世界樹をぶっ壊せれば、もしかしたらクリスタルウッドの植林にちょっとは希望が出るかもしれない。そのためにも、彼女の意見は重要だ。

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