美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H400

「さて……」

 どうしようか? シズちゃんとオオランちゃんにはああ言ったが、アクトパラスとゼンマイを魅了する術はない。重なり合えばどんな相手だって落とす自信はあるけど……そういうことになる前に戦闘になるのは明らかだ。そしてきっと戦闘じゃ勝てない。

 今の私にはゼルのマナしかないからね。それに対してアクトパラスとゼンマイには複数の世界のマナがきっとある。単純にマナの総量で圧倒的な差がある。ゼルだって超膨大なマナを持ってるが、流石に今のアクトパラスとゼンマイの総量には及ばないと想うし。てか私が全部を引き出せるわけじゃない。

 ゼルにとって問題ない分しか私は引き出せないからね。そうなると圧倒的に足りないだろう事は明白だ。

「そもそも戦うのが現実的じゃないよね」

 そう思う。なにせもうこの星での決着はついてしまってる。それをひっくり返す……何て出来るのだろうか? 既にここは敵のホームみたいな物で、私たちはアウェーだ。それ自体でもう不利だからね。

「――と言うわけでどう思う?」

 私はとりあえず今のエデンの中心人物達を集めて再び会議してる。前にも集まってもらったメンバーが集まってる。

「そんなことよりも、いつまで地上を攻撃してるつもりよ? それを止めないと、この雷――ひゃ!? ――や、やまないじゃない!」

 雷が怖いんだねラリア。案外可愛いところあるじゃん。実際私だって止めたいよ。だってシズちゃんとオオランちゃんには大見得切っちゃったしね。でも……今更地上の攻撃を止めてこの攻撃が止まるだろうか? 

「既に私たちは存在を露呈して敵だと認識されたと思う」
「あんたのせいで……ね!!」

 私を責めるように言ってくるラリア。でもそれは遅かれ速かれだよ。

「ラリア様、そんなにラーゼ様を責めないでください。この状況はただそのときが早まっただけですよ」
「それが問題なんでしょクロス様!」

 クロスが私を擁護するのが許せないラリアの言葉は厳しい。私だって出来るのならクロス事態をラリアに押しつけたいんだけど……いかんせん奴は私にベタ惚れである。

「ラーゼ様、どうして地上に攻撃を?」

 この会議に参加してる男性の一人がまじめにそんな質問をしてくる。どうして……といわれても困る。何せノリだったからだ。いやこっちがピンチだったってのは勿論あるよ。けど今も攻撃を続けてるのはアクトパラスとゼンマイへの嫌がらせに他ならない。
 でもそれをそのまま言うと、またラリアが怒りそうだ。それっぽい理由が必要だね。

「簡単なことよ。地上の世界樹を焼き払って、クリスタルウッドを植林にする為よ!」

 そんな私のノープランの言葉に皆さん「おおお!!」という結構ノリ良い反応してくれた。
 

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品