美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H393

 結論から言うと、シズちゃんとオオランちゃんのライブはとても大成功! とは成らなかった。いや、勿論楽しんでくれてはいた。それは確かだ。でもその魔法が長続きしないというか……やっぱり閉塞的なせいなのかな? ライブが終わったら皆、一様に現実を見るというか……たたき落とされるというか……目が死んでいくよね。
 むしろ楽しいひとときを過ごしたからこそ、その反動という物がある……みたいな? 急に現実って奴に気づいて下を見てる人達のなんと多いことか……

「私たちのやった事は、良いことだったのかな?」

 そんな哲学的なことをシズちゃんが言い出した。十歳くらいの小さな女の子がそんなことを気にしなくて良いんだよ!! ――と言いたい。

「あ、明日もやろうよ!! ううん、毎日やればきっと皆喜んでくれるし!」

 オオランちゃんはやる気満々でそういった。二人ともいつもの肌にぴっちりの黒い高性能スーツではなくて、今はアイドルとしての衣装に身を包んでる。短いスカートにフリルがいっぱいの奴だ。ノースリーブで脇までぱっちり見えてる。
 もちろんパンチラ対策は忘れてないよ。でも脇は合法だから。まあこんな小さな子たちの脇で興奮なんて……いやするね。てかそれ狙ってるから。女性達ならほほえま~と見てくれるだろうが、男ならいかん感性に目覚めてるもおかしくはない。

 勿論それが行きすぎて二人に危害を加えてもらっては困る。だからまあ脇程度なのだ。そのうちへそ萌を開発しよう。お臍出し衣装だ。そこら辺まではまだ健全でしょう。

 可愛い――の中にもちょっとした扇状さがほしいんだよね。それによって異性は魅了されていくじゃん。それに普段は色気も何もない女しか見てないここの男共は脇やへそだけで落ちるとわかってる。
 まあ大体の人は微笑ましく見てるだけみたいだけど、グッズを大量に持って行く奴とか居るからね。

 そういえばこのアイドル活動は慈善事業で一切お金にはなってない。てか、貨幣経済がここでは成り立ってない。百人くらいしか居ないからね。大体全て、上から下への配給制だ。
 まあだからこそ、皆さん贅沢は敵だ……みたいな感じになってたみたいだけど、このシズちゃんとオオランちゃんのアイドル活動で、自分の欲求を満たす事が大事って事もわかってほしい。

 我慢ばかりじゃ息がつまりのは当然なのだ。

「明日もか~やっても良いけど、大丈夫?」
「大丈夫です!」
「うん、皆を元気にしたいです!」

 おふ……二人はこの地下世界の天使かな? 最高に……いや最強に可愛いよ!! 実は私が一番の二人のファンなんだよ。そして敏腕プロデューサーのラーゼだよ!! 絶対に二人をトップアイドルにしてみせる!!

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品