美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
H387
私は武器を取り、地上へと出れる方へと走る。既に隔壁がいくつかしまってるが、この地下は私の庭のような物。そして長い時間掛けてほころびもあって、そういう所を使えば回り道になるが進むことは出来た。
ここエデンは凄い場所だけど、流石に数千年という時の中、誰も整備する者も居ないとなると、ほころびは出てくる。まあ勿論、このままにする予定ではなくて、随時修復はしてた。地上も大事だが、今は私達人種の生活圏はこのエデンの地下だけ。
だからこそそこで安全に暮らすためにも、こういうのを放置は出来ない。しっかりと直していって、自分達の拠点を万全にして地上に繰り出す……という予定だった。
(私的には……)
でもラーゼの奴はさっさと地上に出たかったみたいだ。勿論補修もアンティケイドやヌーディケイド達を割り当ててやってたが、同時に地上の調査もやってた。
私はどっちかに割り振る……まずは地下の補修を優先したかった……でも私の意見は通らない。なにせラーゼの命令しかアンティケイドやヌーディケイド達、そしてヌーデレリアはきかない。だから結局、ラーゼのやりたいようにやられる。
それしかないんだ。ラーゼが何かやりたいって言えば、それをむげに出来る奴なんていない。それに……
(あいつがちょっとぶりっ子すれば、男なんてすぐにコロッといっちゃうし)
あいつは自分が誰よりも可愛いと思ってる。いやあの容姿で思ってないわけ無いし、常日頃から自分のこと『宇宙一の美少女』とかのたまってるからそれは当然なんだが……その容姿を使うことにあいつはためらわない。
いや、安売りは絶対にしない。自分の価値をわかってて、常に高まるように振る舞ってる。だからこそ、ここ一番で見せるあいつの顔、態度、声、そういう一挙手一投足が狙われた相手に刺さらないわけない。
つまりは皆、あいつの魅力にやられるのだ。籠絡される。それに抗うすべは異性でも同性でもないらしい。
本当に吐き気がする。誰よりも可愛くて、誰よりも狡猾で、そして誰よりも自由な奴……そう、私はあいつの自由なところが大っ嫌いだ。
何にも縛られないような、あの自由さ。思い出すのは、まだコールドスリープに入るずっと前。お母様とかが居たとき……私は厳しく育てられてた。
なにせこの少なくなった人種を導く役目を……生きながらえさせる役目を背負った一族だったからだ。一人一人を徹底的に管理して、この地下でなんとか生を得てた少しの人種を導くのが私たちの役目。
そこに自由なんて……なかった。毎日怯えて暮らし、ルーティンのような日々。娯楽なんて無くて、ただ私たちは生きながらえることしか出来なかった。
でもあいつはどうだ? ラーゼが居ると、この地下の空気が違う。重苦しくて、誰もが息を詰まらせてたかつてと今はではこの地下の雰囲気は全然違ってた。何の意味があるのかとおもってたシズとオオランのお遊戯のようなライブはとても好評だ。
それに面倒だからってかつて私が決めたルールなんてすぐにラーゼは無視するし……それなのにこの地下は回ってる。なにせ活動領域が増えたからだ。ラーゼはアンティケイドやヌーディケイド達を使ってかつて私たちが出来なかったことをたやすくやってのけた。
結局、私には出来なくて、ラーゼには出来てた……その力があるかないか……理不尽だよ……そんなの。私だって、いや、私たちだって嫌われたくてやってきたわけじゃない。皆のために、人種のためにやってきた。
苦しくてもつらくても……ここまで、この数千年まで繋いだのは私たちなのに……それをあんな適当な奴に全てかっさらわれるなんて……私は我慢ならないのよ!!
私は隔壁をドカドカとやってる所まで来た。今まさに隔壁が破られようとしてる。私は息を整え、片膝をつく。安全装置を外して、銃を構える。照準をのぞき込んで、引き金に指を掛けてその時を待つ。そして――
ここエデンは凄い場所だけど、流石に数千年という時の中、誰も整備する者も居ないとなると、ほころびは出てくる。まあ勿論、このままにする予定ではなくて、随時修復はしてた。地上も大事だが、今は私達人種の生活圏はこのエデンの地下だけ。
だからこそそこで安全に暮らすためにも、こういうのを放置は出来ない。しっかりと直していって、自分達の拠点を万全にして地上に繰り出す……という予定だった。
(私的には……)
でもラーゼの奴はさっさと地上に出たかったみたいだ。勿論補修もアンティケイドやヌーディケイド達を割り当ててやってたが、同時に地上の調査もやってた。
私はどっちかに割り振る……まずは地下の補修を優先したかった……でも私の意見は通らない。なにせラーゼの命令しかアンティケイドやヌーディケイド達、そしてヌーデレリアはきかない。だから結局、ラーゼのやりたいようにやられる。
それしかないんだ。ラーゼが何かやりたいって言えば、それをむげに出来る奴なんていない。それに……
(あいつがちょっとぶりっ子すれば、男なんてすぐにコロッといっちゃうし)
あいつは自分が誰よりも可愛いと思ってる。いやあの容姿で思ってないわけ無いし、常日頃から自分のこと『宇宙一の美少女』とかのたまってるからそれは当然なんだが……その容姿を使うことにあいつはためらわない。
いや、安売りは絶対にしない。自分の価値をわかってて、常に高まるように振る舞ってる。だからこそ、ここ一番で見せるあいつの顔、態度、声、そういう一挙手一投足が狙われた相手に刺さらないわけない。
つまりは皆、あいつの魅力にやられるのだ。籠絡される。それに抗うすべは異性でも同性でもないらしい。
本当に吐き気がする。誰よりも可愛くて、誰よりも狡猾で、そして誰よりも自由な奴……そう、私はあいつの自由なところが大っ嫌いだ。
何にも縛られないような、あの自由さ。思い出すのは、まだコールドスリープに入るずっと前。お母様とかが居たとき……私は厳しく育てられてた。
なにせこの少なくなった人種を導く役目を……生きながらえさせる役目を背負った一族だったからだ。一人一人を徹底的に管理して、この地下でなんとか生を得てた少しの人種を導くのが私たちの役目。
そこに自由なんて……なかった。毎日怯えて暮らし、ルーティンのような日々。娯楽なんて無くて、ただ私たちは生きながらえることしか出来なかった。
でもあいつはどうだ? ラーゼが居ると、この地下の空気が違う。重苦しくて、誰もが息を詰まらせてたかつてと今はではこの地下の雰囲気は全然違ってた。何の意味があるのかとおもってたシズとオオランのお遊戯のようなライブはとても好評だ。
それに面倒だからってかつて私が決めたルールなんてすぐにラーゼは無視するし……それなのにこの地下は回ってる。なにせ活動領域が増えたからだ。ラーゼはアンティケイドやヌーディケイド達を使ってかつて私たちが出来なかったことをたやすくやってのけた。
結局、私には出来なくて、ラーゼには出来てた……その力があるかないか……理不尽だよ……そんなの。私だって、いや、私たちだって嫌われたくてやってきたわけじゃない。皆のために、人種のためにやってきた。
苦しくてもつらくても……ここまで、この数千年まで繋いだのは私たちなのに……それをあんな適当な奴に全てかっさらわれるなんて……私は我慢ならないのよ!!
私は隔壁をドカドカとやってる所まで来た。今まさに隔壁が破られようとしてる。私は息を整え、片膝をつく。安全装置を外して、銃を構える。照準をのぞき込んで、引き金に指を掛けてその時を待つ。そして――
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