美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
H373
私は女神に出会った。コールドスリープから目覚めてその顔が目の前にあったとき……息をするのも忘れたほどだ。
「え? ちょっ!? 大丈夫?」
声も天使だった。透き通るようで、可愛らしく、耳障りがとても良い。意識を手放すそのときまで、その声は響いてきてた。それからもう一度目覚めたときも女神はそこに居た。そして当然のごとく「大丈夫?」といってくれた。落ちた……私は落ちた。そこには婚約者とされてたラリア様もいたが……はっきり言って目に入らなかった。
コールドスリープから目覚めて、新たな時代で人種を導くために、私とラリア様は夫婦となり進んでいく……それもこの計画の一部だった筈。
でも……この気持ちに嘘なんてつけない。もちろん、ラリア様と一緒になることに納得してたのも嘘ではない。ただ、それまでの自分は合理主義者だっただけだ。でも、そんな合理主義なんて投げ捨てた。彼女を……ラーゼ様を見た瞬間に投げ捨てた。そのときに思ったんだ。そして二度観て確信した。
(自分は、この人に出会うために生まれてきたんだと)
そう思うと、今までの自分の人生に彩りが足らなかったのも別に不満なんて無くなった。全てはここに収束してたとしたら、納得出来る。今までが人生の底辺で、ここから一気に頂点に持って行ってくれたと信じよう。
私はベッドから転げ落ちてこういった。
「貴女を愛してしまいました」
「あっそう」
軽い……とても軽い返答だった。逆にその場にいたラリア様は驚いてた。
「クロス様、頭お打ちになりました? 私たちは互いに新たな人種を導かねばなりません」
「すまないラリア様。でも、私は本当の愛を知ったんだ!」
その瞬間ビンタが飛んできて、ラリア様は私を寝かせてた場所から走り去ってしまった。
「追いかけないの?」
「必要ですか? 貴女がここに居るのに」
そういうととても冷たい目をされた。でもそれにもゾクゾクとした。自分の中にこんな性癖があるとは思ってもなかった。なにせ私は普通だと思ってたからだ。
けど……ラーゼ様を観てると、愛が溢れる。そう思えるほどに、胸が苦しくなる。そして止まらなくなる。もう私にはラリア様と一緒になれる私ではない。
それが確信出来た。だから追いかけない方が良い。それにエデンは私たちがコールドスリープする前に想定してた状況とは違ってる。
ラーゼ様がいる……それだけで生活の質が変わってる。だからこそ、私たちが上に立つ必要など無いと思った。そう……私たち人種が使えるべきはこの人の下だと、確信をもったのだ。
「どうか誓いを立てさせてください」
「どうやって?」
「その……手を差し出してくだされば……」
そういうとラーゼ様はその美しすぎる手を差し出してくれた。それに恐る恐る触れようとする。そしてちょん……と触って確かめて、次はもっと確実に重ねる。そしてさわさわとする。
(なんだこれ……今まで知ってる女性の手とは全然違う。気持ちいい)
ただ触ってるだけで、幸せがこみ上げてくるかの様なそんな感覚。けどスリスリしてると、ばっと手を引かれた。
「なんか気持ち悪い。私の手足になりたいのなら、言葉で誓いなさい」
「はっ! 私の全てを貴女に捧げることを誓いましょう」
こうやって私はラーゼ様の下僕になった。
「え? ちょっ!? 大丈夫?」
声も天使だった。透き通るようで、可愛らしく、耳障りがとても良い。意識を手放すそのときまで、その声は響いてきてた。それからもう一度目覚めたときも女神はそこに居た。そして当然のごとく「大丈夫?」といってくれた。落ちた……私は落ちた。そこには婚約者とされてたラリア様もいたが……はっきり言って目に入らなかった。
コールドスリープから目覚めて、新たな時代で人種を導くために、私とラリア様は夫婦となり進んでいく……それもこの計画の一部だった筈。
でも……この気持ちに嘘なんてつけない。もちろん、ラリア様と一緒になることに納得してたのも嘘ではない。ただ、それまでの自分は合理主義者だっただけだ。でも、そんな合理主義なんて投げ捨てた。彼女を……ラーゼ様を見た瞬間に投げ捨てた。そのときに思ったんだ。そして二度観て確信した。
(自分は、この人に出会うために生まれてきたんだと)
そう思うと、今までの自分の人生に彩りが足らなかったのも別に不満なんて無くなった。全てはここに収束してたとしたら、納得出来る。今までが人生の底辺で、ここから一気に頂点に持って行ってくれたと信じよう。
私はベッドから転げ落ちてこういった。
「貴女を愛してしまいました」
「あっそう」
軽い……とても軽い返答だった。逆にその場にいたラリア様は驚いてた。
「クロス様、頭お打ちになりました? 私たちは互いに新たな人種を導かねばなりません」
「すまないラリア様。でも、私は本当の愛を知ったんだ!」
その瞬間ビンタが飛んできて、ラリア様は私を寝かせてた場所から走り去ってしまった。
「追いかけないの?」
「必要ですか? 貴女がここに居るのに」
そういうととても冷たい目をされた。でもそれにもゾクゾクとした。自分の中にこんな性癖があるとは思ってもなかった。なにせ私は普通だと思ってたからだ。
けど……ラーゼ様を観てると、愛が溢れる。そう思えるほどに、胸が苦しくなる。そして止まらなくなる。もう私にはラリア様と一緒になれる私ではない。
それが確信出来た。だから追いかけない方が良い。それにエデンは私たちがコールドスリープする前に想定してた状況とは違ってる。
ラーゼ様がいる……それだけで生活の質が変わってる。だからこそ、私たちが上に立つ必要など無いと思った。そう……私たち人種が使えるべきはこの人の下だと、確信をもったのだ。
「どうか誓いを立てさせてください」
「どうやって?」
「その……手を差し出してくだされば……」
そういうとラーゼ様はその美しすぎる手を差し出してくれた。それに恐る恐る触れようとする。そしてちょん……と触って確かめて、次はもっと確実に重ねる。そしてさわさわとする。
(なんだこれ……今まで知ってる女性の手とは全然違う。気持ちいい)
ただ触ってるだけで、幸せがこみ上げてくるかの様なそんな感覚。けどスリスリしてると、ばっと手を引かれた。
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