美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H372

 あれから一ヶ月くらいが経った。まだまだエデンの地上部分にさえ進出出来てないが、大分地下世界は充実してきたと言っても過言ではない。
 
 最初四人しか居なかったこの場所も、既に大部分の眠ってた人達鱈を起こしちゃったしね。いや~最初は厳選してたよ? でもなんかどんどん面倒になっていったというか……そのうち先に起こされたグループと、後で起こされたグループでちょっとした亀裂? があってね。
 面倒だなこいつら……って事で後は一気に起こした。

 まあ大体なんか先に起こされたグループが私派で後で起こされた奴らがラリア派になりやすいみたいだった。まあけど、基本は私がトップを張ってる。
 というか戦力的にどうしても……ね。だってアンティケイドやヌーディケイド達、ヌーデレリアは私の命令しか聞かないからね。その戦力を加えたら、こっちが圧倒的なのだ。
 なのでラリア達はおとなしくしてないといけない。まあこんな風に書いてたら、私とラリアがとても険悪でそりが合わないのかって思われるかもしれないね。
 でもそうじゃない。私たちは上手くやってる。なにせ私の一個下にラリアが居る感じで、大体いろんな事を決めてるのはラリアだ。私のすることに大体ため息をついてることが多いけどね。でも別に止められたりはしない。

「好きにすれば」

 といってくれる。だから私もラリアのすることには口出ししてないしね。うん、私たちは良い関係を気づいてるね。

「ラーゼ様」
「げっ」

 思わずそんな声が出てしまった。なぜにそうなのか……というのはここ一番の悩みの種が私の前に現れたからだ。

「げっ――という君も可愛い。今日も世界一、いや、宇宙一美しい」
「知ってる」

 こんな嬉しくない褒め言葉も無い。いや、言葉自体は良いよ。でもそれを言う奴が此奴では駄目だ。もうね……聞き飽きた。私の目の前にはイケメンがいる。金髪の髪はサラサラの長髪で、顔はとてもシュッとしてて、全てのパーツが整って配置されてる。なら優男? なのかと思うかもしれないが、そいつは長身でしかも細マッチョ。そして性格も良い奴である。

 名前は『クロス』なんか名字もあったけど忘れた。コールドスリープする前はラリアの一番の夫候補だったらしい。それだけ地位もある奴だ。教養もマナーだってちゃんとある……筈なんだけどね。

「失礼しました。はぁ……その姿とお声をこの身に捧げてくださるだけでこのクロス、感涙します」

 嫌まじで泣かないで。最初観たときは「うわっ、こんなイケメンが人種に現れるようになったんだ」 と思うくらいには驚いたんだけどね。こいつめっちゃうざったいんだよね。もうね……ストーカーだよ。

 一目見て、私に恋したようだ。てか落ちた? いやいや、私に恋するなら上れよ。落ちる奴になんて興味は無い。
 私のために上がって私の役に立てる奴が私は好きだ。だってそうじゃないと私が楽出来ないじゃん。

 目下私の課題はこの変態ストーカーをどう処理するか……だね。

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