美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H367

 私とシズとオオランは一緒に大きなベッドで目を覚ます。

「あ……あれ?」

 ――と思ったら、何かベッドには私しか居なかった。いやヌーデレリア達は居るけど……今私が求めてるのは可愛い女の子のぬくもりなのだ。私は両隣の場所を触れて確かめてみる。

「結構冷たい……」

 もしかしたら二人とも結構早い時間にベッドから起きて行っちゃったのかもしれない。うう……朝のイチャイチャイベントが出来なかったよ。え? 朝のイチャイチャイベントって何だって? そんなの決まってるよ。朝から二人をこねくり回すことだよ。寝ぼけてるふりして二人の体に色々とすることだよ。
 結局昨夜は健全だったからね。別に私は一切手を出してない。けどだからこそ……ね。二人はただ楽しげに昨夜を楽しんだと思う。私のおもてなしの精神が発揮されたからね。カードゲームとか、私が知らないかつてやってたらしい昔? 最新? 私の知ってる時代から見たら最新で、今から見たら昔の遊びで夜を過ごし、そして私は二人にサンドイッチされながら寝たのだ。

 天国だったけど、ある意味で地獄だったね。なにせ食べ頃の美少女が無防備な姿で寝てるんだよ? 据え膳なんとやらだよ!! まあ私は頑張ったね。
 そして朝もイチャイチャと――と思ってたのに居ないなんてがっくりだ。私には常に美少女成分が必要なのだ。何? 自分で摂取出来るだろって? 
 確かに私は宇宙一の美少女で変わりなんて居ないし、私がナンバーワンなのは揺るぎようのない事実としてある。でもね、自分自身では美少女成分は摂取出来ないのだよ。他の可愛い子達とキャッキャッウフフしないと駄目なのだ。

「二人はどこに行ったの?」

 私はヌーデレリアの一体にそう聞く。するとただのヌイグルミのような振りをしてたヌーデレリアが目をピカピカと光らせてグイッと起き上がった。そしてぴょこっとベッドから降りててくてく歩き出す。これはあれか、案内してくれるのかな? 寝間着のままスリッパを履いてヌーデレリアの後をついて行く。

「前ならこんな寝間着で歩いてたらメイドの皆に怒られてたね」

 なにせ私って宇宙一の美少女。寝間着姿のまま歩き回ると誰もが我慢出来なく成っちゃうのだ。そこに性別は関係ない。それが宇宙一の美少女というものだ。

 けど今のエデンにはたったの三人しか居ないわけで、問題は無いね。

「人が増えると色々と制約も増える訳か……てかどうせなら私の理想郷を作り上げたいぞ」

 美少女だらけの理想郷だ。うむうむ、それは良いかもしれない。毎日毎日夜には美少女達と組んずほぐれつしながら生きていくのも悪くない。
 私はそんなよこしまな気持ちを持ちつつ、二人を探すためにヌーデレリアの後を追いかける。

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