美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H365

「あれ? これってアンティケイド達を使えば良いんじゃない?」

 私は動き出したアンティケイドやヌーディケイド、そしてヌーデレリア達を観てそう思った。だって私って偉いんだよ? 私が動く事ってそもそもが最後の手段だ。私はどっしり構えてるのが仕事。そして必要なことは自由に使える手足を使って行う――それが上に立つ物の姿勢だ。

「こんないっぱいのロボット達が動くなんて……」
「ん? 元から居たじゃん?」
「省エネだったのよ? こんな風に動いてる場面なんて見たことない」
「ふーんてかロボットじゃないから、アンティケイドにヌーディケイド、ヌーデレリアだからね」
「私の時代にはよくわからないロボットだったわよ」

 むむむ……どうやら色々とあってこの子達の正しい存在がつたわってなかったみたいだ。実際にはアンティケイドはロボットじゃ全然無いし……まあけどそこら辺完璧に説明出来るか……といえば私だって無理だから別にいっか。私に絶対服従の戦力が増えたと言うだけだから良いことにする。
 だって下手したら……ね。ラリアっ私に反抗してもおかしくないというか……まだ目覚めさせたのが三人で、二人は戦力にもならないからおとなしく私の言うことに従ってるけど……ラリアって別に私に対して信仰心とかないんだよね。
 むしろ私に敵意あるし。まあラリアの人生を考えれば仕方ないとは思う。私のせいで人種やらこっちに組してた陣営は大変だったのに、その私が目覚めてまた好き放題やってるのだ。
 しかも私が居ないときはラリアとかその母親がまとめてここまで繋いできたであろう地位を諸々強奪して……ね。別に私には強奪した気なんて無い。

 ただ私の存在が地位を与えるだけ――というか、私のこの半端ない存在感というか美少女感? が平凡な地位になんて置かせてくれないって言うか? そんな感じ。だから自然と私はトップに落ち着くのだ。ごめんね。

(まあこれでラリアも変なことは考えないでしょう)

 私の周りには昔と同じようにヌーデレリア達がわちゃわちゃ居る。この子達はちっさいがとても強い。それになかなかに改良されてるみたい。

(でも、後からつけられたであろう機能は制限されてるね)

 ヌーデレリアもそうだけど、ヌーディケイド達の中のデータを見ると様々な改良案とかがあって実際にそれを行った記録もある。けど、それらはどうやら今は発動出来てない。
 なぜなら部品が足りなくなったからだね。そのうちこの子達を稼働させるエネルギーも足りなくなって休止状態にするしかなくなったから、いつしか長い年月の内にこの子達の存在はなくなったんだろう。

 でも誰かわからないが、この研究成果はそのうち生かしてあげよう。とりあえず今は水の確保だね。

「ヌーディケイドとアンティケイド達は少数を伴って水の確認をしなさい」

 それとエデンの地上の捜索をお願い。

 地下はどうやら安全らしい。けど地上には私を襲ってきたアクトパラスの足が出現する。はっきり言ってあれはやっかいだ。どうせならエデンの外側の土地も使いたいじゃん。
 だからどうにかして外も確保する。その施策を考える。うん……誰かがね。私にはそのアイディアなんてないからね。料理出来る奴の次にはそういうことが出来る奴も目覚めさせよう。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品