美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H361

「反撃って言ってもね……そもそもが戦う様な相手いる?」
「居るわよ! この星を支配してるアクトパラスとゼンマイが!!」
「でもそいつらってこの星に居るわけじゃないでしょ?」
「それは……そうみたいだけど……」
「てかゼルってどこに居るの? なんか繋がりが薄いんだけど?」

 魂の回廊で繋がってるのはわかるんだけど、何か繋がりが薄いんだよね。

「ゼルって伝説のゼルラグドールと呼ばれてたドラゴン?」
「伝説って……」
「私は一度も見たことないから」
「え? そうなの?」

 それは驚き……確かにゼルは別に飛んでた訳でもなくて、ただこの地で眠ってただけだからね。あんまり近寄る人が居ないようにはしてた……けど、ラリアの地位でゼルに会えないわけはない。
 ということは……ゼルはどこかに行ってるって事か。確かにそれならこの薄くなった繋がりも納得だ。多分だけど、ゼルの奴、この星に居ないね。

「二人は……見たことないよね?」
「そのゼルさん? って人の事もきいたことない……です」
「うんうん」

 そうなんだ。まあ二人の地位ってよくわかんないからね。プリムローズってあれからどうなったんだろう。二代目、三代目って続いたんだろうか? そうであってほしいけど……情勢的に難しかったかもしれない。

 二人が誕生する前にはもうゼルはこの星から離れてたのかもしれない。その際私置いていくってどうなの? って思うけどね。まあさすがに宇宙空間で私が生きられるかは……ね。いや、宇宙で戦ったりもしたからいけるとは思う。勿論起きてればね。
 でも眠ってて何も力が使えないとなると厳しいかも。まあゼルが私が適応出来そうな星に運んでくれても良いとは思う。けど人が生きてる星って何万光年離れてたりするんでしょ? てかあるか……一から見つけるとなると難しいよね。
 だからここに私をゼルは放置していったのかも? エデンなら安全だと判断したのかも。

「ところで、その伝説って何なの?」
「一度地上を破壊し尽くしたドラゴンの伝説よ」
「なにそれ?」

 あれかな? 私が眠っちゃって機嫌が悪かったのかな? それはしょうがないね。とりあえずもっと詳しくその伝説都やらを私は聞いた。

『世界が闇に閉ざされたとき、このエデンの地から飛び去ったドラゴンが瘴気に満ちた地上を浄化の炎で焼いて空への道を切り開いて太陽をもたらした――そういう伝説』

 なんかとってもいいことやってたみたい? なにか希望的な行動を起こしてたみたいだ。まあゼルにその狙いがあったかはわかんないけどね。

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