美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H353

 どうやら皆、いい結末を迎える事は出来なかったみたいだ。私のせい……で? いやいや、ああいう事態だって多分だけど、想定くらいはしてた……筈だよね? 万が一私がどうにかなるような……さ。
 そう言う物だと思うんだ……国を……世界を賭けた戦いをしてるって事はそういうことだよ。

「だから一概に私だけのせいって訳じゃないし」

 うん、一人言い訳してみる。まあけど……

「ごめんなさい」

 一応合掌して皆の冥福をお祈りする。今の私にはこんなことしかできないしね。

「私ってひとりぼっちなのかな?」

 この世界は結局アクトパラスとゼンマイの物になったのはわかった。でも全ての生命が消え去った訳じゃないじゃん。一応さっき見たプテラノドンみたいなのはいたし。どこかに知的な生命体がいてもおかしくないような? でもそれって結局はアクトパラスとゼンマイの影響を受けた生命って事なのかも……なら精神的には敵って事になるのかな? 
いやいや、居るかもわからない敵を作り出しても意味は無いよね。

「現状の世界ってどうなってるの?」

 私はこの星の現状を映し出してもらった。エデンは何もむやみに空を漂ってるわけじゃない。空を漂いながら、世界の情報を集めてるのだ。既に私が眠って数万年くらいたってるみたいだし、世界を何周もしてるだろう。
 その情報で世界全体を小さな映像として再現することが出来る。私の目の前に今のこの星の姿が映し出された。それを見てまず思ったのは……

「世界樹がないよ?」

 って事だ。なにせ世界樹はめっちゃ大きい。星から飛び出すほどにはでかいはずだ。それとも万年経ってもクリスタルウッドほどには成長してないって事? いやいや、たしかラジエルの奴が世界を治めてたとき、大きな世界樹がたってたよ。

「世界樹を検索」

 ちゃんと検索機能もあるエデンは優秀である。すぐに世界樹を映してくれた。するとなんと……

「なに……これ?」

 驚愕の事実が判明した。なんと、この星に生い茂ってる木々の全てが……なんか赤い。ようはそれは私が指定した検索に引っかかった対象を赤くハイライトとしてるわけで……つまり……だよ? これってつまり……

「この星全部の木が世界樹って事?」

 マジでどういうことかわからないよ。

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