美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H341

「うっわーばっちい。ちょっと飛びすぎじゃない? 服まで飛び越してくるって、どんだけ興奮してる訳?」

 私はさらに嘲笑を込めてそうラジエルの奴に言ってやる。こいつをからかうのは楽しい。なんか私の中の嗜虐的な内面が表に顔を出すよね。

「うっ、くさ」

 私は思わず鼻を押さえた。だってなんか……ラジエルが出した奴の匂いがね。めっちゃ鼻につく。確かに、出しまくって果てたりした後だと、ふとその匂いが鼻につく……なんて事はある。
 でもここは外だよ? それに出しまくったというか、まだ二回目だ。それなのにこんなに強烈な匂いを放つって……なんかこう……

 ゴクリ

 ――と喉がなった。よくわからないけど、なんか汗が出てきて、視線がラジエルの奴が出した液体に吸い寄せられるような……しかも変な思いが出てくる。なんか……アレを舐めたい……みたいな。

(なにこれ、媚薬的な効果でもあるとか?)

 生物として優れてるから、もしかしたら女性なら発情しちゃうとかだろうか? 確かに進化した獣人なんてあいつ以外いないし、生物としての希少性でもその可能性があるのかもしれない。
 それか私の本能が奴の性を取込めと訴えてるのかも? 私ならラジエルの出したアレを舐めれば、奴の特性が取り込める。獣人から進化した種の特性。それは――

(確かにとても魅力的かも)

 ゴクリともう一度喉が鳴る。でもそう思う自分にちょっと寒気が……

(だってこれ、ラジエルの出した奴だよ?)

 それを取込みたいだなんて……なんかこいつに負けた気がする。こいつの特性は謎だし、もしかしたらそれをやったらのあの王の剣を取り込めるかもしれないって言う可能性は大きい。
 けどけど……

(ラジエルの奴の出したのを舐めるなんて!!)

 けど不思議なことにどんどんと目が離せなくなっていく。私は膝を地面について仰向けに倒れて荒い息を吐いてるラジエルの体に覆い被さるように近づいていく。

「何してる!? まだする気か!!」
「うっさい、こっちは必死に抵抗してるのよ……」

 それなのに体が勝手に、こいつのアレを舐めようとしちゃってる。離れたいのに……体はどんどんとこいつが出した物へと近づいていくんだ。これは私の意思じゃないから! 

「何のことだ? 俺の全てをお前は奪う気だろう?」
「そのつもりなのは確かね」

 そんなことを言うと、なぜか顔を赤くするラジエル。もしかしてだけど、こいつ支配されたいみたいな性癖があるんじゃない? 結構うさぎっ子に尻に敷かれてる? 
 てかこいつ自分の出したアレに、女性を狂わせる特性があるってわかってない? その可能性ありそう。知らず知らずにこの特性で女性を惑わせてたと思うと……女の敵だね。
 うさぎっ子を助ける大義名分が出来たんではないだろうか? てか、体マジで言うこと聞け!!

 既に顔を近づけて目の前にラジエルが出したアレがある。ここまで来ると、匂いが頭をたたきつけるような感じまである。クラクラしてきちゃうよ。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品