美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H329

『敵はオウラムの奴ら!』

 ということを早速共有した私は、どうしようかと思ってた。いやね、だって私一人で突っ込むってどうよって思って……いやね、私は弱くはないよ。
 クリスタルウッドとつながり、そしてゼルからの力の供給もある。もしも何かのきっかけでクリスタルウッドからの力の供給が止まったとしても、ゼルから渡される力だけでもある程度はなんとかなると思う。

(さっさとラジエルの奴をぶっ飛ばしたいし……)

 うずうずしちゃうよね。でも一応、ハゲとかからはある程度の戦力が到着するまでは突っ込まないでほしいって言われてる。私に何かあったら、大変だから――ということだ。まあね。それはわかる。
 でも、さっきからここにきてクリスタルウッドからの主張がね。

「げっ」

 なんかゾクッと背筋に悪寒が走った。それはクリスタルウッドから訴えるように送られ来る映像が私にそれを感じさせたんだ。映像は何やらラジエルたちが持ってる映像だった。それが何なのかまではわかんない。

 けど何やらその持ってる何かが、とてつもなくいやだって事だけがわかる……みたいな? 

(あれをクリスタルウッドは嫌ってるみたい。私もいやな感じするし、このまま手をこまねいてるわけにはいかないよね)

 私は地面を蹴って、高く飛び上がった。そして力を高める。それを隠すなんて事はしないよ。ただ私は奴らにアピールしてるんだ。私に背中を向けてていいのかって……ね。

 案の定私の強大な力にラジエルたちはこっちをみた。すると「急げ!」と言ってクリスタルウッドへとその手の中の何かを押しつけようとする。

「ちょ!? 待ちなさいよ!!」

 こっちに攻撃してこないんだ!? このままではまずい。あれはとてもいやな気がする。でもここからでっかい攻撃をすると、クリスタルウッドまで……いや、私の力は大体クリスタルウッドの力と同じである。なら大丈夫では? 

「いや、もっといい方法あるかも」

 私は目を閉じてクリスタルウッドと通じる。そしてその力を高める。すると私とクリスタルウッドの輝きが同調し始める。クリスタルウッドは普段からほのかに光ってその幻想的な存在を示してるわけだけど、今はその光を飛躍的に高めてる。

「ぐっ!?」

 ラジエルたちは強まる力の前に、それ以上進めないでいる。力の密度を飛躍的に高めて、壁代わりにした私グッジョブ。そして奴らが進めてない中、黒ウサギを二丁の拳銃に変えてラジエルたちに向かって打ちまくるのだ!!

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