美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
H327
「ラーゼ……何が起きてるって言うの?」
王城に侵入してきた他種族を打つために戦力を動かしてる私にもラーゼの知らせは届いてた。駆けつけてやりたいところだけど、こっちはこっちで大変だ。何せ生半可なやつではない。それこそ上位種に近い力を持ってるかもしれないくらいの敵だ。
「どうしますか?」
「さすがに今は戦力を低下させることはできないわ。なるべく早く王城に侵入してる奴を討ち取る」
「タワーの方は?」
「そっちも勿論やるわ。でもあのラーゼが悪い予感を感じてるってのがまずい気がする。あいつって基本楽天的だからね。変に自信に満ちてるし、自分の道は唯我独尊だと思ってるし、人は使うけど頼ることはあんまりしないって言うか……」
「つまりはキララ様はラーゼ様が心配なんですよね」
私がもごもごと言ってると、ティアラ様がそんなことを言ってきた。
「なっ!? ティアラ様、そういうことじゃないですよ。ただこの機会に借りを少しでも返せればなって思っただけです!」
「はいはい。大好きなラーゼ様の為ですものね」
「あいつのこと、別に好きなんかじゃ……」
「大丈夫……皆……ラーゼ様のことが好き。キララだけじゃない」
「アナハまで……違うって言ってるのに」
この二人は私がラーゼのことが大好きだって前提で話を進めるんだから。私は別にラーゼには感謝してるだけで、別に好きなわけじゃない。そういってるのに、なぜか二人ともそれを認めてくれない。
勿論嫌いになんてなれるわけ無い。だってラーゼは私を救い上げてくれたからだ。そして私が今この人種の国で最も高い立場にいるのも、私の気持ちを知ってたラーゼが私とカタヤ様をくっつけてくれたおかげだ。
何せ私は最初はその命さえも自分のものじゃないただの生物兵器だったんだから。そんな私が人の上に立ってるのはひとえにラーゼのおかげである。
私にはラーゼに返しきれないほどの借りがある。それだけ。
「はっはっは、何、そうかたくなになる必要はございません。皆気持ちは一緒でございますよキララ様。あの方の要請をないがしろにはできません。どれ、私も一つ出ますかな」
「それは困ります!」
いや、本当に。なにせこの歴戦の猛者のこの人が全体を細かく見渡してくれてるから、いろいろと助かってる部分がある。私もティアラ様もアナハだって指揮の経験ってあんまり無いんだ。
この人まで前線に送り出したら、私がいろいろと指示しないといけないじゃん。それは自信ない。確かに決定してたのは私だけど、この人が大体決めたことに「よろしい」って言ってるだけだからなんとかなったのだ。
私たちだけだとどうなるか……いやティアラ様もアナハもいるしそんな大きな間違いを犯すなんて思わないけど……
「きっと侵入者の狙いは時間稼ぎにあるでしょう。キララ様を狙ってるのか思ってましたが、ラーゼ様の一報で時間稼ぎの線が大きくなりました。それに此方が付き合う理由はなし。
ここは一気に攻めるべきです」
「あれを殺せるの?」
未だにその正体はつかめてない。それにこっちに被害が増えるばかりだ。うまく誘導はできてるが……はっきり言ってこっちにはあれを倒すための一撃が足りない状況だ。
「お任せいただければ、この身命にかけて」
「それでは困ります。生きて戻ってきなさい」
「はは、キララ様はお厳しい」
そう言って老齢のその人は笑った。死地でも求めてた? でも認めない。だってあんたは必要だから。私のために生きなさい。私は死ぬことには許可を出さずに彼を送り出した。
王城に侵入してきた他種族を打つために戦力を動かしてる私にもラーゼの知らせは届いてた。駆けつけてやりたいところだけど、こっちはこっちで大変だ。何せ生半可なやつではない。それこそ上位種に近い力を持ってるかもしれないくらいの敵だ。
「どうしますか?」
「さすがに今は戦力を低下させることはできないわ。なるべく早く王城に侵入してる奴を討ち取る」
「タワーの方は?」
「そっちも勿論やるわ。でもあのラーゼが悪い予感を感じてるってのがまずい気がする。あいつって基本楽天的だからね。変に自信に満ちてるし、自分の道は唯我独尊だと思ってるし、人は使うけど頼ることはあんまりしないって言うか……」
「つまりはキララ様はラーゼ様が心配なんですよね」
私がもごもごと言ってると、ティアラ様がそんなことを言ってきた。
「なっ!? ティアラ様、そういうことじゃないですよ。ただこの機会に借りを少しでも返せればなって思っただけです!」
「はいはい。大好きなラーゼ様の為ですものね」
「あいつのこと、別に好きなんかじゃ……」
「大丈夫……皆……ラーゼ様のことが好き。キララだけじゃない」
「アナハまで……違うって言ってるのに」
この二人は私がラーゼのことが大好きだって前提で話を進めるんだから。私は別にラーゼには感謝してるだけで、別に好きなわけじゃない。そういってるのに、なぜか二人ともそれを認めてくれない。
勿論嫌いになんてなれるわけ無い。だってラーゼは私を救い上げてくれたからだ。そして私が今この人種の国で最も高い立場にいるのも、私の気持ちを知ってたラーゼが私とカタヤ様をくっつけてくれたおかげだ。
何せ私は最初はその命さえも自分のものじゃないただの生物兵器だったんだから。そんな私が人の上に立ってるのはひとえにラーゼのおかげである。
私にはラーゼに返しきれないほどの借りがある。それだけ。
「はっはっは、何、そうかたくなになる必要はございません。皆気持ちは一緒でございますよキララ様。あの方の要請をないがしろにはできません。どれ、私も一つ出ますかな」
「それは困ります!」
いや、本当に。なにせこの歴戦の猛者のこの人が全体を細かく見渡してくれてるから、いろいろと助かってる部分がある。私もティアラ様もアナハだって指揮の経験ってあんまり無いんだ。
この人まで前線に送り出したら、私がいろいろと指示しないといけないじゃん。それは自信ない。確かに決定してたのは私だけど、この人が大体決めたことに「よろしい」って言ってるだけだからなんとかなったのだ。
私たちだけだとどうなるか……いやティアラ様もアナハもいるしそんな大きな間違いを犯すなんて思わないけど……
「きっと侵入者の狙いは時間稼ぎにあるでしょう。キララ様を狙ってるのか思ってましたが、ラーゼ様の一報で時間稼ぎの線が大きくなりました。それに此方が付き合う理由はなし。
ここは一気に攻めるべきです」
「あれを殺せるの?」
未だにその正体はつかめてない。それにこっちに被害が増えるばかりだ。うまく誘導はできてるが……はっきり言ってこっちにはあれを倒すための一撃が足りない状況だ。
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