美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
H318
「それは……」
そういって幼女のママさんは私から顔をそらす。ふむ……その態度が何かある……と物語るには十分だと思う。きっとこの人には普通に話したら夢物語とか言われるような、そんな類の何かがあるんじゃないかな?
でも私もぶしつけ過ぎたね。こんな場所でしかもいきなり現れた女にそんなことを話すわけはない。
「ごめんなさい。いきなり意味不明な事を言いましたね。それはそうと、そろそろ返してもらえないかな?」
私は幼女にそういうよ。すると幼女は母親と私を交互に見て、ウサギのぬいぐるみをぎゅっとした。まあ返したくないんだろうね。珍しいもんね。動くぬいぐるみなんて。
「駄目よ。あの人の物なんだから。ちゃんと返さないとだめ。そうでしょ?」
「…………うん」
そう頷いた幼女。ちゃんと教育されてるようで何よりだよ。でもめっちゃ嫌そうなのはつたわってくるけどね。だって「…………うん」といったけど、幼女は動かないし……自分がやってることは駄目な事……とはわかってるんだけど……それでも返する気は嫌って感情がせめぎあってるみたい。
「こら、そんな悪い子に育ては覚えはないわよ?」
そういってママさんが指の骨をぽきぽきと鳴らしだす。ちょっと流石に幼女にジャーマンスープレックスは不味いよ。最悪首の骨が折れちゃうよ。
流石にしない……しないよね? とりあえず、私は幼女と目線を合わせて「返してくれるよね?」と先に脅迫する。いや脅迫といっても、勿論私は笑顔だよ。口角あげて、優しい声音で言ってる。
まあその裏では「さっさと返せ」っておもってるけどね。だってこのままではプリンが生温くなってしまう。
(まったくこれだから子供は……)
私はなかなかに頑なな、その子にそんな事を思う。本当はこんなことしたくないんだけど……
「返してくれたら、良いものあげるよ?」
「この子がいい……」
(それは私のだ)
ちょっとイラっと来てしまった。私をイラっとさせるなんて相当なものだよ。なにせ私はそういう感情と無縁のわがままな生活送ってるからね。でも相手は子供だからね。同じステージに降りて言い争いをする――なんて醜いことはしない。なにせ私はもう大人だし。
「そうなの? 甘くてプルプルで、とっても美味しいんだけどな? 君は甘いものは嫌いなのかな?」
私のその言葉に幼女の耳がぴくぴくとしてる。この都市の少女で甘いものが嫌いなんてないよね。私の言葉に幼女は首を横にふるう。そうだろうそうだろう。
「返してくれたら、とってもいいものをあげるんだけどな?」
そういって私は箱をこれ見よがしに見せる。もちろんこの中にはプリン銘菓の新作が入ってるのだ。
「な……何がはいってるんですか?」
「それは返してくれないと教えられないな」
私は怪しく微笑んでそういうよ。するとごくりとつばを飲み込んで、幼女がようやくぬいぐるみを差し出してきた。ふう、やっとだよ。これで後はさよならするだけだね。
え? 私が自分の物を誰かにやるなんて、そんなことがあるわけない。
そういって幼女のママさんは私から顔をそらす。ふむ……その態度が何かある……と物語るには十分だと思う。きっとこの人には普通に話したら夢物語とか言われるような、そんな類の何かがあるんじゃないかな?
でも私もぶしつけ過ぎたね。こんな場所でしかもいきなり現れた女にそんなことを話すわけはない。
「ごめんなさい。いきなり意味不明な事を言いましたね。それはそうと、そろそろ返してもらえないかな?」
私は幼女にそういうよ。すると幼女は母親と私を交互に見て、ウサギのぬいぐるみをぎゅっとした。まあ返したくないんだろうね。珍しいもんね。動くぬいぐるみなんて。
「駄目よ。あの人の物なんだから。ちゃんと返さないとだめ。そうでしょ?」
「…………うん」
そう頷いた幼女。ちゃんと教育されてるようで何よりだよ。でもめっちゃ嫌そうなのはつたわってくるけどね。だって「…………うん」といったけど、幼女は動かないし……自分がやってることは駄目な事……とはわかってるんだけど……それでも返する気は嫌って感情がせめぎあってるみたい。
「こら、そんな悪い子に育ては覚えはないわよ?」
そういってママさんが指の骨をぽきぽきと鳴らしだす。ちょっと流石に幼女にジャーマンスープレックスは不味いよ。最悪首の骨が折れちゃうよ。
流石にしない……しないよね? とりあえず、私は幼女と目線を合わせて「返してくれるよね?」と先に脅迫する。いや脅迫といっても、勿論私は笑顔だよ。口角あげて、優しい声音で言ってる。
まあその裏では「さっさと返せ」っておもってるけどね。だってこのままではプリンが生温くなってしまう。
(まったくこれだから子供は……)
私はなかなかに頑なな、その子にそんな事を思う。本当はこんなことしたくないんだけど……
「返してくれたら、良いものあげるよ?」
「この子がいい……」
(それは私のだ)
ちょっとイラっと来てしまった。私をイラっとさせるなんて相当なものだよ。なにせ私はそういう感情と無縁のわがままな生活送ってるからね。でも相手は子供だからね。同じステージに降りて言い争いをする――なんて醜いことはしない。なにせ私はもう大人だし。
「そうなの? 甘くてプルプルで、とっても美味しいんだけどな? 君は甘いものは嫌いなのかな?」
私のその言葉に幼女の耳がぴくぴくとしてる。この都市の少女で甘いものが嫌いなんてないよね。私の言葉に幼女は首を横にふるう。そうだろうそうだろう。
「返してくれたら、とってもいいものをあげるんだけどな?」
そういって私は箱をこれ見よがしに見せる。もちろんこの中にはプリン銘菓の新作が入ってるのだ。
「な……何がはいってるんですか?」
「それは返してくれないと教えられないな」
私は怪しく微笑んでそういうよ。するとごくりとつばを飲み込んで、幼女がようやくぬいぐるみを差し出してきた。ふう、やっとだよ。これで後はさよならするだけだね。
え? 私が自分の物を誰かにやるなんて、そんなことがあるわけない。
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