美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H263

 すでに昼も近い。けど朝食は取ったからね。とりあえず公務なんて面倒なものからは逃げてたいから、プリムローズの皆と食事をとった後に、私は地上の方へと降りてた。本当なら蛇とかハゲに、戦闘中だから、エデンから出るなと言われてた。
 けど無駄だよ。私に指図できる奴なんてこの場所に……いや、世界にいないのだ。私はやりたいようにやるのだ。それが権力者って奴だ。

 一応プリムローズの皆とともに下に降りたけど、彼女達は予定がいっぱいだ。レッスンとか、勉強とか、ファンサービスとかね。だから下に降りた時点でわかれた。私の事を心配してたが、このぬいぐるみ達がいるから大丈夫だよ。
 それに見えないが、カメレオン部隊もいるだろう。とりあえずオウラムや、アクトパラスとゼンマイの方はヘビやグルダフに任せておく。朝からひっきりなしに飛空艇とか、列車がせわしなく動いてるから、何か起きてるのか……とか住民たちは思ってはいそうだね。

「何やら世話しないねえ……」
「あそこの息子さんが、いきなり朝になって帰ってきたと思ったら、別れの挨拶をしたとか言ってたわよ」
「戦争がまた始まるのかね?」
「うちらが前に出るってことは少なくなったんじゃなかったのかい?」
「そのはずだけどね~」

 とかそんな会話が聞こえてくる。まあ実際、一兵卒は今回の戦いで命を落とす確率はかなりある。軍に在籍する以上、その命を国の為に使うのは仕方ないことだけど、家族とかに取ったらたまったものじゃないよね。

 まあだからってやめないが。だって、この戦いで勝たないとこの生活だってできない。きっとこの戦いの後に私達以外が勝ったら、世界が大きく変わるか、再び地を這う生活に人種は戻る。そうならないためにも、皆の命を使うしかないのだ。

「まあ活気はあるからまだまだ大丈夫よね」

 戦いが長引く……なんてことはないと思うけど、せっかくここまで発展したんだから、この場所は大切にしたいよね。それにあんまり戦いが長引くと、どんどんと備蓄はなくなって、そのうち再び食うのにも困る……なんてことになりかねない。
 人種は数だけは圧倒的に多いし。実際数か月とか続く一つの戦いなんてこの世界ではない。せいぜい一週間でも続けば長いほうだ。

 ならここが困窮することはないと思う。とりあえず適当な出店で私はアイスを買った。一応ちゃんと変装してるよ。アイテムで髪の色を地味目な茶色にして、帽子もかぶってる。大きなサングラスもしてるし、圧倒的なオーラだって消してるのだ。
 私が素のままで街に降りたりすると、もう大混乱だからね。権力者の辛いところだね。まあけどこういうお忍びは嫌いじゃない。一応このサングラス事態に認識疎外の幻影魔法がかかってるし、ばれることはまずないだろう。
 実際さっきのアイスクリーム屋さんでもばれなかったし。私はペロペロとアイスをなめつつ、目的の場所に行くとこにする。それは未来のアイドルたちが日夜厳しい競争を繰り広げてるアイドルスクールである。

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