H237

　セーファの奴は変な奴だが、たった一人……なのかは知らないけど、不死鳥種なだけあってめっちゃ強い。そもそも死ぬことがないってチートだし。多分この場なら、セーファを殺しきることは出来ないじゃないだろうか？　

　まあ私的には攻略法はあるけど。アクトパラスとゼンマイみたいにこの場を私の支配下に置けばいい。そして残りの源泉をすべて掌握すれば、少なくともすぐに復活するってことは多分セーファは出来なくなると思う。
　なにせセーファ程の存在が無条件に復活できるなんて……そんなのは世界の法則的に不可能だからだ。どんな事象にだって世界の法則がかかわってる。それは羽持ち達が口を酸っぱくしてるいってるからね。

　結果には原因が伴う……的な奴だと思う。ようはセーファを復活させるエネルギーはとても膨大だということだ。それだけのマナは源泉でなければ、簡単に集めることはできない。たからこの源泉と他の所も抑えれば、セーファは復活に相当の時間を要するようになり、一回倒せば事実上無力化できる。

　まあその仮説は前からあったけど、ここまでセーファと行動を共にして、確信したよ。とりあえずセーファが派手に暴れて、アクトパラスとゼンマイを追い出してるこの状況は好機だ。
　この段階で仕込みをやっておこうと思う。私は今、セーファに自身のマナを送って、それをセーファは派手に使ってる。なんかアクトパラスとゼンマイの妨害が入ってるみたいだけど、この衣装とそしてダンスという奉納はセーファと直接的なつながりが出来てるのか、マナを渡すことに問題はない。

　でも私の純なマナをセーファへと流すとそれは最早セーファのマナで、私が干渉することはできない。いや、普通ならできたりもするが、やはりというかなんというかセーファも上位種だ。

　上位の種はそれだけマナとの親和性が高い。何となくの現象を調べ解明して、発動までのプロセスを持って理論まで起こして魔法を体系にしていった人種とは根本的に違う。

　こいつらは感覚でとんでもないことをやってる。だからこそ、私もどうすることもできない。いうなれば、人種は魔法を使うとき、五十パーセントの効率でしか魔法を使えないから、その余ってるスペースに私は干渉できるが、上位種は感覚だけで、百パーセントの効率を叩き出せるのだ。
　だから私の干渉を受け付けない。純粋にその存在だけのマナになってるのだ。

　だからしょうがないから、セーファがごっそりと持っていくなかからしぼりだし、自分のマナの導線を引くことにした。まあ要はこの場所に小さな穴をあけとくのだ。
　それは私とつながる小さな穴。普段はなんの意味もないが、その時になれば、ここから本体を使って一気にこの源泉をセーファから切り離すって戦法だ。

　ふふ、こんな仕込みがされてるとも知らずに、セーファは一気に決めにかかってる。この場所全てが炎へと変わった。それはまるで私たちが太陽の中に入ったかの様な……そんな光景。アクトパラスとゼンマイに逃げ場はない。