美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H201

「でっかー」

 いや、そうは言っても、さっきまで居た怪獣とかとそこまで変わりは無いんだけどね。でも気持ち悪さでは勝ってるよ。それになんかすごくゾクゾクとする。赤いマナが立ち上ってるしね。なんか強そうな感じビンビンだ。あれにオウラムはどう立ち向かうのだろうか? 

 ずぅぅぅぅん

 ――と再びオウラム側に白い巨人が現れる。さっきの謎の物体の雪崩でどっかに言ったと思ってたけど、簡単に出し入れ出来るだろうか? しかも今度はその隣にモノクロのアンティカもいる。流石に白い巨人とかと比べると、アンティカは小さいね。それでも私達なんかよりはずっと大きいはずだけど……、それよりもアクトパラスやら白い巨人が大きいから、相対的にアンティカが小さく見えてしまってる。
 なんかスケール感が狂っちゃうよね。

「ふむ……ふむふむ、貴様の事は大分わかったぞ。それよりも見辛いのは……」

 何やらクソデカくて気持ち悪いクセに案外静かな声をアクトパラスはしてた。でもクソデカイからね。筒抜けだ。でもあの見た目で案外知的なんだね……逆に厄介そうな……そしてどうやらあの白い巨人よりもアンティカに目を向けてる。いや、まって……よく見ると、アクトパラスの目は一つじゃない。いや、元から一つじゃなく二つだけと……そういうことじゃない。
 いうなれば、二つでもない。よく見たら、アクトパラスの目の中に無数の目があった。

「気持ちわる!?」

 私は思わずそんな風につぶやいた。だってあれは気持ち悪いよ。なにあの目。

「とりあえず邪魔な奴らは肺じゃさせて貰おう」

 そう言って、両手……四本有る腕を広げたアクトパラス。そのそれぞれに火と水と風と土を生み出した。そしてそれを胸のあたりでバチコンとぶつけ合う。

 ガリガリバギバキギャンギャン

 ――となんかヤバそうな音が仕出してる。なにやヤバいのが来る。そんな予感がしたんだろう。白い巨人が動き出した。巨人とは思えない俊敏な動きでアクトパラスへと近づいて、拳を振るう。
 その動きにアクトパラスは一切反応しなかった。けど、あたったかの様に見えた拳はアクトパラスに絡め取られてた。

 どうやってって? なにせ四本の腕は使用中だ。確かに使える腕はなかった。でもアクトパラスは顎の所にたくさんの触手を持ってる。それを使ってしいろい巨人のパンチを受け止めていた。

「古い力だな」

 そんな風にいってアクトパラスは顎の触手だけで、白い巨人を持ち上げて、山の方へと投げた。そして同時に、自身の腕でめちゃくちゃにした4つの力の歪な塊を投げ飛ばす。

「あっやばそう」

 私はなんとなくそんな予感が下から、とりあいず地面にうずくまる事にした。

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