美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H170

「カタヤは使えないけど、残り二人は一応使おうかな。やっぱり汎用性能じゃないアンティカだってあの場には必要だろうし」

 あんまり派手に動く事は出来ないけど、必要最小限で最大限の効果を発揮できる編成……それが重要だね。まあ私がそこまで考える必要はないのかもしれないけど……

「うんうん、蛇はわかってるね」

 今回の戦いに向かう部隊とそのメンバーのリストがヘビから送られてきたから見てると、ちゃんとカタヤ以外の二人が入ってた。まあクリエイト以外は、あの部隊実は動かしづらいんだけど、国王という立場があるカタヤ以上に動かしづらいわけじゃない。実際、エデンと人種の国は対等……ということになってるが、誰もがそうとは思ってないしね。人種の国の上にエデンがある……それは物理的なだけじゃなく、権力的にもそうだと大体の人は思ってる。なのでカタヤよりも私の方が上だと認識してる人の方が多い。
 それにそれを還元してる人の方が多い。なぜかって? それは私が美少女だからだ。だってムサイおっさん……いや、カタヤはイケメンだけど……普通王様って年食ってるおじいちゃんじゃん。だからね……そういう人に収められるよりも美少女の方が良いってのは皆の心理だよね。

「まあクリエイトも英雄になってるから、下手に働かせすぎるのもどうかって思うけど……」

 変な信者があいつにも出来つつあるからね。まあでもキララほどしゃないし、まだまだ大丈夫だよね。キララを崇拝してる宗教はもうなんか国教になりそうだし。いや、その前に宗教戦争が勃発するかもしれない。一応ずっと前から人種の国は一つの宗教があるからね。でもそれの存在感はなく成ってきてる。なにせキララは今や王妃だ。そうなると王妃を崇拝する宗教が幅をきかせるのは当然の事。
 キララは自分の事を神……なんてのたまってないし、別に元の宗教からの改宗を迫ってるわけでもない。でも信者共は結構荒いんだよね。やっぱりそういうのは信者の方が、熱いのである。そこら辺を上手くキララが押さえる間はまだいいだろう。それにそういう事は、全てが終わった後に勝手にやってほしいよね。てか……

(なんでこいつらは私を崇拝してないの?)

 そこだよね。女神とか私じゃん。確かにキララはそこらの女性よりは整った顔してるとは思う。けど、キララよりはティアラの方が美女だし、私なんて別格だよ? 私を崇拝する宗教がないのはよく考えたらおかしい。何か大きな陰謀がうごめいてるのでは? まあとりあえず役者は揃って言ってる。流石に出発に一日くらいはかかるだろう。なにせ軍を動かすと言うのはそういうことだ。面倒だと思う。

「一日くらいはオウラム……持つかな?」

 戦いが何日も続くなんて早々ない。戦争ならわかるけど、既にぶつかってる戦場はそんな何日も続かないと思う。それに何千とかがぶつかるわけじゃないしね。オウラムにとって攻めてきたのはたった一人だ。それを全戦力で迎え撃つ。だから一日なんて持たずにおわかるかも。てか可能性的に高いよね。

「むむ、やっぱり私も行ったほうがいいかな?」

 勿論それは私が直接ってわけじゃない。アンティケイドを通してだ。でもそれじゃ力不足もわかってる。難しいね。やっぱりエデンで超長距離狙撃を狙うのが一番現実的な気がしてきた。

「まあでもかき乱すくらいは……出来るかな?」

 ニヤリと私は笑って、ネジマキ博士を呼んだ。

「美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く