美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H166

 オウラムやアクトパラスとかの事は蛇とかに任せてようか……とも思ったけど、実際そいつらを倒せばこの世界は私の物だ。なら気になるわけで……なのでちょっと場所を変えた。自室から玉座の方へときてそこで色々と見る。ここからなら全てのエデンへとアクセスできるからね。

「今日もこの国は平和だね」

 今頃オウラムでは死闘が繰り広げられているだろうに、この国はいたって平和だ。私は玉座の周りにエデンと更に下の人種の国の様子をだしてる。ここも下も命で溢れてる。そしていろんな種族がいっぱいだ。ちょっと前までは考えられないような事だったろう。なにせ基本種族同士、関わりなんてほぼなかったみたいだしね。関わる時はそれこそ侵略とかするときだけ。それだけ殺伐とした世界だった。

 でも今は違う。同じ枠組みに入る事で、どの種族も仲間意識ってやつを持ってる。まあこれとオウラムも似たようなことになってるとは思う。でも聞いたところ、向こうは種族ごとで区切って生活とかはさせてるらしい。それに色々と種族ごとの営み? というやつを持ち込ませてる。というか、それに縛られてる。でもここではそれはない。いや、信仰とか考え方は別に強制なんてしないよ。ただ、生活は皆同じ枠組みでさせてる。そこら辺が連帯感? 的なのを養ってるとも思ってる。結局種族ごとのでやらせたら何も変わらないじゃん。私はもっと多様性をもたせてるのだ。勿論問題は大きかった。種族とごとに違うことはいっぱいだ。だからそれらを聞いて色々とやってきたんだよ? 勿論私はそんな面倒な事はやらないけどね。やるのは下の人達だ。でも私が支持したから、そういうこともやれるわけで、そしてそれのおかけで今は上手く回ってる。今までほとんど自力でやってきた種達も、便利な物に頼るようになってる。そうしてそうなったら、もう不便だったときには戻れないものだ。

 それはどの種族でも同じ。実際他の種は魔法で色々と便利に出来るけど、それでも全てってわけじゃない。だからかゆいところに手が届く物とかが聞いてくる。だっていくら魔法で大抵の事は何でもできる……といっても「この程度なら――」って魔法を出し渋る時はあるわけで、そんなのがこの国の商品で出来るのならそれに頼っていい。魔法は基本自分の力を使ってる訳で疲れるからね。
 でも外の力に頼れば、自分が疲れる事はない。そんなの使わない方が馬鹿らしいじゃん。まあけどこれが出来たのは他の種は私に支配されるところが大きいけどね。支配というと大げさだが、様々な種はこの弱肉強食の世界で淘汰された側だ。だからこそ、更にそこを徹底的にわからせて、こっちの仕組みに併合させてるわけだ。オウラムは多分違う。この世界に淘汰された奴らが集まったのは一緒だけど、向こうはそれぞれの種にプライドがある。だからこそ、種ごとに住んだり区画分けたりしてるんだろうしね。こっちは最初に色々と大変だったけど、時間が経てば種というこだわりも薄らいで行く方法だ。

 でもオウラム側はいつまでもその種というのに縛られるやり方だ。それでオウラムという国がやっていけるのか……まあそれを見る機会はないと思うけど。なにせオウラムはここで滅びる……予定だ。実際はどれだけの戦力が双方にあるのかはわからない。でも順当に行くと負けるのはオウラムだろう。なにせアクトパラスとゼンマイは今まで勝利しかしてない種だ。現最強だ。だからオウラムは負けるだろう。
 けど、なるべくなら、アクトパラスとゼンマイの力をなるべく引き出してほしい。だってそうじゃないと、次にあいつとぶつかるのは私たちだから。

「さてさて、うさぎっ子は無事かな?」

 そろそろ後悔して私のところに来たくなってるかもしれないね。近くのアンティケイド視界を私は映し出すよ。

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