美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H139

 魔力暴走の爆発の威力は想定よりも凄かったなにせ建物一つを吹き飛ばしただけではおわらなかったからだ。さっきまでいた建物を中心に、50メートル四方を吹き飛ばした。だが、なんと隣に建つこの建物は無事だった。魔法的に守られてたみたいだ。重要施設だからなそれはあり得る事だ。俺達は既に建物内へと入ってた。修羅場を何度もくぐって、ここまで生き残ってきた者達だ。運だって持ってるさ。まあいつ無くなってもおかしくないような運だが……魔力暴走の爆発で色んなところが慌ただしくなってる。この混乱に乗じて橋を渡る。隠れつつも、大胆に移動して、更に罠を沢山設置する。少しでも時間を稼ぐためだ。
 まあ罠なんてあったらここに集まってくるわけだが、集まる前に橋を渡って、そして橋を破壊すればいい。橋へと続く通路はかなり広かった。どうやらこの建物、本当に橋に続く為だけに作られてる。みたいだ。一階にはあまり部屋はなく、二階に部屋がある感じだ。でもわざわざこんな風にするって事はなにか……があるはず。だが関係ない。どんな仕掛けがあろうとも、発動させなければいい。この場所に身を隠す事は出来ない。なら一斉に走りぬけるしかない。アンティケイドを中心において、俺達は絶え間なく銃弾を壁とかに撃ち込んでいた。銃にはカードで特性を付与して、魔力妨害を起こさせてる。
 
 テープよりも荒っぽいし、隠れるなんてこのやり方ではできない。だが、ここまで来たらもう同じだ。だからこそ、派手でも、ここを駆け抜ける事に全てを尽くしてる。壁を打ち抜き続けると、何やら建物がゆれてるのがわかった。何が起きてるのか……それは橋に到達して判明した。橋が上がってる? そんな常識的な事なんて起きない。なんとマグマが壁の様に立ち上っていた。

「くっなんだこれ……」

 熱い……零れてくるマグマが地面に落ちてグツグツいうレベルの熱気がある。

「ボス……これじゃあ……」
「「「居たぞ!! あそこだ!!」」」

 どうやら追っ手が来たらしい。走りながら罠を設置したからまだ一分くらいは稼げるとは思うが……既に退路はない。前に進むしかないが、マグマの壁が俺達を阻んでる。俺達はカードを通して、攻撃を変質させて一斉にマグマの壁を撃つ。だが、なんの変化もない。

「まさか……今ので一瞬も凍らない……だと……」

 今のはカードで銃の特性を変化させて、氷の魔法が付与された状態だった。本当なら、銃弾が当たったらそこが凍るっていう……だが結果は見ての通り……凍るという現象すら起きなかった。こんなことって……どんどんと後ろから迫るオウラムの奴ら。時間はない。いったいどうしたら……

「全員爆発系を込めろ!!」
 
 俺は一つのカードを取り出してそういった。それに皆が続く。熱い物を凍らせるなんてのは普通の手段だった。だったら普通じゃない手段でやるしかない!! 俺達はカードをスライドさて、そして一斉に引き金を引いた。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品