美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H85

 私は地面を埋め尽くすほどの攻撃をしてる。はっきり言って、地形が変わるほどで、これだけ派手にやってたら、ゼンマイ種とかアクトパラス種に見つかってておかしくない。てかこの化け物はなんかおかしいし、もしかしたら奴らの先兵なのかも? まあわからないけど。とりあえずこの化け物を倒すのが大切。

 明らかに私の攻撃に対して奴の消滅の力は追いついてない。まあそれはそうでしょう。だってどんな生物だってその力は有限だ。それに対して私の力は世界その者。規模が違う。しかもこれだけ使ってもなんともないとはアンティケイド様々だ。

 まあ流石に疲れるけどね。でもそろそろ終わりでしょう。化け物の体はまだなんとか形を保ってるが、どんどん削られていってるのはわかってる。私は周囲から光線を打ち出しながら、最後の一撃の為に、自身の指の先に力を集める。狙いなんてつける必要は無い。私が当たれと思えば当たるしね。魔物は面制圧で動けないんだし、逃げる術はない。そして疲労が出てる奴に、これを消すなんて不可能。

『消えちゃえ!!」

 私は巨大な力を放つ。それは自身の体の数十倍はある巨光だ。でも奴も私を一度は追いつめた化け物。最後の力を振り絞って半分くらいをその力で消しやがった。でもそれが限界だった。全ての力を込めても半分。それじゃ、逃れられないよ。後はもうあっけなかった。

「ふう……」

 大地が大きく穿ってる。流石にこのままではまずいか……でも当分はこのままでもいいか。どうせここら辺は私の支配地域じゃない。いくら環境が悪化したって別にいいしね。

「汗なんて久々にかいたね」

 ベッドの上以外でね。それにしてもあんな化け物がいるとは……これ以上出てこないよね? あんなのが普通に居たら脅威過ぎる。私だからなんとかなったけど……魔力を使ってる武器とかあいつに通用しないよ。軍隊じゃどうしようもないだろう。私は通用しない筈の攻撃をごり押しで通用させただけだからね。

「大分データ取れたでしょ。それでどうにかしてよね」
『わかっておりますじゃ。流石に放置できませんからな』

 ネジマキ博士の声。アンティケイドは常にちゃんとした所で監視してるからね。それにアンティケイドの体験したことは全てデータになってる。私のこれは極秘でやってるから私が宿ったこのアンティケイドのデータはネジマキ博士だけが取ってるが、データとしてあるなら問題ない筈だ。

「繭に変化は?」
『今の所はありませんじゃ』

 そんな会話をしてると、アンティケイド達があつまってきた。どうやら自身を追い回してた魔物は倒したらしい。まあ私の所に来た奴が一番厄介だったしね。私は一番楽したいのに、なんなの? まあ無茶が出来るのがこの体の良いところだけどね。

「よし、邪魔者は消えたし、繭に向かうよ」

 色々と寄り道したが、既に繭は目と鼻の先だ。本当なら敵の元へ行くなんて緊張するが、私は全然そんな事は無い。寧ろ、遠足気分だ。

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