美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H57

 パウジーフラワーはどんな種なのか。俺の考え的には、パウジーフラワーは感染型の種だと思ってる。事前に聞いてた情報でもパウジーフラワーはその花が本体だと、そう言われていた。奴らは臆病でいやらしい。なにせか弱い花の振りをしつつ、近付いた生命とかに寄生して行くんだ。そうやって宿主を浸食したり、自分たちで土塊の人形を使ってそれに根を張って動かすみたいな……そんな種だ。

 奴らはそれこそ、自分たちが寄生する側の命も、そして素材も選びはしない。奴らの本体は花だが、その根が通らないような岩を動かして体にしたり、もっと硬度の高い鉱石なんかも自身の体に出来る。実際、堅そうな奴らは湖にいたときにみた。でも、今は全員が多分植物と化してる。いや、元が植物なんだから、化してる……なんて言うのは間違いだろう。奴らはあえて植物を選んだのかもしれない。やっぱり同じ系統とかの方が操りやすいとかあり得そうだしな。
 パウジーフラワーは植物を……特にその中でも、花咲く植物を味方につける事が出来るみたいだ。さっきから足下の植物が時々妨害工作してくるのは、目の前のパウジーフラワーの性だと思った手けど、なんか違う気がしてきた。まあだけど、言うなれば足下の植物たちにはパウジーフラワーと成るだけの力というか、マナがないんだろう。だから結局は植物止まり。やっかいだが、致命的にやっかいって訳でもない。サポがいるおかげでなんとかなる。

(タイミングが大事だ)

 誰もがこんな事は思いつく。実際パウジーフラワーにはこれが一番効果的じゃないかと言う事で、用意されたし品なわけだしな。ちいさな容器に入ったそれを使うタイミング、それが大事だが、皆も持ってる訳で、そして皆も同じようにパウジーフラワーを相手取ってるとしたら……やっぱり行き着くところは多分同じだ。でももしかしたら、ボールの奴はなんとか助けられたが、そうじゃない奴らもいるかもしれない。その可能性は大いにある。それを確かめる為にも目の前のパウジーフラワーを倒さないといけない。

 俺に攻撃が当たらないからか、パウジーフラワーもっと広く大きな目を狙って攻撃するようになった。俺は左右にそれぞれ銃を持ち、尖端にエネルギーを収束する刃を作ってパウジーフラワーの攻撃をいなしてる。けどいつでも投げれる様にその小さな容器を指の間に挟めていたせいか、この広範囲の攻撃をいなす時に、ポロッと左側の銃が跳ね飛ばされた。やっぱり指一本分だったがそれでも保持力に差が出てたらしい。

 そして一つ防御の手段がなくなった所へと更にパウジーフラワーは追撃を放ってくる。鞭の様にしなるツタが俺の体を何回も叩いて俺は吹き飛んだ。地面を転がり、湖に落ちる。

「ぐっ、これは……」

 なかなかに効く。陽動だったとしても、その威力は想定以上だった。体中がギシギシ言ってるぜ。実際この装備じゃなかったら、耐えられなかっただろう。でも吹き飛ばされる直前、俺はその小さな容器をパウジーフラワーへと投げていた。実際これだけ距離が離れると、自分の投げた容器がどうなったのかわからない。だが、それでもいい。あとはこっちで支持を飛ばせばいい。俺は陽気に連動してるカードにマナを通す。それによって自動でその容器は中の液体をスプリンクラーよろしくぶちまける。行き成り地面から何かが噴射されてパウジーフラワーは地面をみてる。

 そのときに、俺はカードをスラッシュして弾丸を変質させて狙いを定めた。もちろん狙いはパウジーフラワーだ。そして放った弾丸は直ぐに炎を纏った。炎の弾丸はでも地面から出てきたツタの壁に阻まれる。でも……そのツタの壁にも今の噴射された液体はついてる訳で……燃え移る。それは一気に広がった。炎は決してお前達を逃がさない。

「お前達は自分たちの弱点を知ってたはずなのにな」

 そんな事を呟きつつ、俺は炎に焼かれるパウジーフラワーを見届ける。

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