美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H37

 極大の力を花は放ってくる。そこらの種でも出来ないような攻撃だ。私はそれを両腕を使って受け止める。前方に力の力場をつくってる。それにふれた花の攻撃が分かれるようにして私の後ろに流れて行ってる。実際上から下に向かってはなってるから、この星をかなり抉ってるよね。私のいる場所の左右は深くえぐれてそれこそ谷みたいになるんでは? そういえば、今の世界の地形は大昔の大戦の傷跡が色濃く残ってる――と聞いた事がある。今まさに、それと同じ事が起きようとしてる。

(いや、現在進行形で起きてるけどね)

 まあけど私はそこら辺は気にしない。どうせここら辺がどうなろうと関係ないし……そもそもがその内真っさらにするつもりだ。だから……

「むっ、出てこないでよ」

 私はそう言って頭を震う。魔王の意思……そう言う物が私の中にはある。それが……ね。魔王には役目がある。それから逃れることは魔王である限り出来ない。けど今はそんなのはどうでもい。そもそもここでの戦いは魔王の意思の望む物じゃないからね。魔王の意思はいつだってラーゼを殺せって行ってるよ。あれを殺す事が魔王の意思の最大目標的な程にいってくる。それだけあれは特別な存在なんだろう。

 実際強さだけなら、今世界の半分以上を牛耳ってる奴の方があると思うが……それでも魔王の意思はラーゼを殺せといってくる。もしかしたら近いからなのかも知れないが……そして魔王の意思はこの目の前の花には関心を示してない。ただ『食らえ』と欲求を言ってくるだけだ。でもあれは美味しそうじゃない。美味しそうじゃないが、まあ食わず嫌いはいけないよね。とりあえず私は受け止めてる力を包むように更に自身の力を解放していく。

「まずはちょっと味見かな」

 別にそこまで余裕があるわけでもない。地中深くまで届くほどの攻撃だ。私を押し続けるほどに強力だし、結構頑張ってる。でもだからこそ、味見は必要

「ふうん、やっぱりアラガタとか言う奴のマナの残滓だね」

 私はそれを確かめて、バクバクっと放たれてるエネルギー砲を自身の力で食っていく。そしてそれを力にする。新たな力だ。本当ならあの星、私が落としたかった。別の所に掛かってなければ、魔族として介入してたのに……けどありがたい。大昔にこの星を離れた一つの力を回収できる。本家とは違うけど……魔王の核がある私には関係ない。私は奴らの攻撃を全て食い切った。

「それだけかしら?」

 そういって挑発してみる。するともう一度やつらはチャージを始めた。本当なら先に放ったミサイルの粒子でマナとかを阻害できてたんだろうけど、マナを直接操れる私には何の効果も無かったね。本当ならチャージを二度させてあげるほどに私は優しくない。けど、確かめたい事もあってもう一度、今の攻撃を放って貰うつもりだ。そして再び光が放たれる。今度は私は本当に何もせずにその力をこの身に受けた。

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