美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H6

「うっわキモ」

 私はそういって椅子の上に足を持ってきてさすった。むむ……ちょっと油断した行動だったか? パンツ見えたかも。だってこの場に控えてた奴がバッと顔を逸らす……なんて事で傷に真っ赤になってる。私の下の方を凝視してね。今はちゃんと見えない様にスカートを腕で押さえてるのに、視線は完全に私のお尻にいってるよ。

 こいつも他種族でかなり生きてるだろうに、私の魅力的な存在力にはあらがえないらしい。他には蛇とかカメレオンとかもいる。蛇は流石に視線を逸らしてる。でも一部分の膨脹を隠せてないよ。ベッドの上で見るのと、チラリズムは違うのかな?
 あいつにとっても刺激が強かったら、他の奴らがこうなるのも無理はない。なにせ私は宇宙一可愛いからね。しょうがない。

「で、どのくらい残って活動できてる訳?」
「はっ――はい。我らの観測では八割方は上手く世界へと散ったようです」
「アレは二割に入った哀れな存在って事ね」
「これまで知られなかっだ種ですからね。ですがあれには戦闘能力はあまりないでしょう」
「でもやっかいじゃない? エデンのアーカイブで察するに、多分感染型の種よ。ああいうのはほっといていい奴らじゃない」

 感染されるとか一番エグくない? 私の言葉でようやく視線を私のお尻から上の方に戻した彼はまだ赤いけどちゃんと報告はくれる。彼は人に近いが、頭から角を生やしてる。牡鹿の様な立派な奴だ。彼等の角はクリスタルウッドの材質に近い。
 つまりはマナにとても適応してる。けど上位の種って訳じゃない。せいぜい中堅……それも下位くらいだ。まあそれでも人種よりは全然強いけどね。てもそれでも私達に組してるのは、その程度の種はもうこの世界で生きれないからだ。

 どこかの陣営にいかないと……ね。こいつらはなかなかに賢いよ。私達を選んだ。今この世界で自称一位を名乗ってる種でも、負け犬の集まりの『オウラム』とかでもなく、私達をだ。見込みあると思うよ。

「それではどうしますか? 殲滅ですか? 場所はわかってるのでしょう?」
「はい、アンティケイドは我らが全ての位置を把握してますので」

 蛇の言葉にそう返す彼の白い角が、赤黒く僅かになった。まあけどそれは怒ってるとかではない。彼等の種の特徴だ。

「別に私達が出る必要は無いでしょう。魔族に任せとけばいいし。ミリアだって最近暇そうだったじゃない」
「魔王に力を与えすぎるのは良くないのではないですか? あれは種の特徴を、力を奪えるでしょう」
「まあ確かに」

 魔王も私も種の力を奪える。そこら辺、なんか共通してるんだよね。でもやり方が違う。魔王はそれこそ食べればいい。簡単た。私は性的な物を摂取する必要がある。ちょっと面倒だ。私にあまり種族違いの性行が抵抗ないから良い物を……なんか理不尽さが否めない。
 まあ食べようなんて思わないんだけどね。食べる位なら、体を重ねる方が楽だ。それに私は自身が戦う事はあんまりしくたないから、どの種の力も欲しいわけじゃない。

 そこらへん、雑食のミリアとは違うのだよ。ミリアはファーストフードを好む貧乏人みたいな物だ。私は高級料理に舌鼓を打つ一流なのだ。

「私的にはこの体質にもなにか欠点みたいなのかある気がするけど……まあミリアは今はカタヤに甘えたいか。ならカタヤを使おう」
「鬼ですね」

 なにをいうか、蛇は私の優しさがわかってない。これもミリアの為だ。

「ですが、人種の王も今は使うのはどうかと思いますよ」
「ならグルダフ? でもあいつら別方向だったような?」
「そうですね。グルダフ殿は方向的に難しいでしょう」

 角をさすりながら、彼はそういう。むむ……なら適当な部隊でも投入するか。

「いくつかここから戦闘に向いてる種を貸してやれば、カタヤも文句は言わないでしょう」
「そうですね。それがいいでしょう」

 蛇も納得したことだし、それで話はまとまった。ごめんねお花さん。貴方たちにはこの世界の為に……なんていわない。私の邪魔だから滅びて貰うよ。

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