美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
閑話 ある日のシシの日常14
そこには地獄絵図が広がってた。
(うん……もうあの人を英雄とは見ないようにしよう)
私はそんな風に思ってた。だって……
「おい誰かあいつを止めろ!」
「なんなんだよ……なんなんだよこれえええええ!!」
「おい!! 大丈夫か! おい!!」
「終わりだ……俺達はもう……終わり何だ……」
とかなんとか言ってる屈強な男達。一体何という舞台のワンシーンかと思う位の光景。あんな楽しそうにさっきまでしてた人達のガチ泣き……男泣きなんてこの世界、見る事はあったけど、あんな……あんなに胸に来る物は初めてだ。
それにそれが他種族を見て……なんてね。昔なら考えられなかった事だよ。だって昔は他種族は基本怖く恐ろしい物だった。こんな対等じゃなかったし、涙を見せる様な間柄になるなんてね。まあ私の感情的には「何やってるんだろう……」って感じが強いけどね。
私的にはここのノリについていけてない。
「全く彼女は……最近はちょっと調子にのってるな」
そういうのは車長さんだ。何故か彼は俺の出番だな――みたいな雰囲気を醸し出してる。いやいやだよ。貴方、獣人種の人達と比べても全然ヒョロヒョロしてますよ!?
(ってそか、人種が丸腰でアンティカに挑むなんてバカな真似しないよね)
考えてみれば常識だった。いや、考えなくてもわかる事だ。いやー、獣人種の人達が生身でボコボコにされてたから、車長さんも生身で参戦するのかと思っちゃったよ。そんな訳ないのにね。車長さんは帽子を取り、上着を脱いで部屋を出てった。きっと他にもアンティカがあるからそれに乗って出てくるのだろう。
車長さんなのにアンティカを操縦できるの? とか、疑問はある。確かアンティカを操縦できる人って軍の中でもエリートだけだった筈だ。それが軍属でもない車長さんが出来るのかは謎だけど、まあ見てればわかるだろうと思ってた。
「って!? ええ!! 生身じゃん!!」
ドームの中央に出てきた車長さんはこじんまりとしてた。まあアンティカじゃないからね。いやいや、てっきりアンティカで出て行く物と……てかアレじゃ意味ないでしょ。人種が生身でアンティカ相手に何が出来るっていうの? なにせ獣人種がボコボコにされてるのに、死ぬよ? バカなの? そんな事を私は思ってるけど、なんかボコボコにされてた獣人種の人達はまるで真の英雄が現れて魔王に立ち向かってくれてるかのような盛り上がりにかわってる。
「ご、後光が差して見える……」
「あいつを吹っ飛ばしてくれ……仲間の分まで!!」
「あの真の邪悪はこのままにしてちゃいけねえ! もうあんたしかいないんだ!!」
なんなんのこれ? 私はこのノリについていけないよ。一応撮ってるけど……私は車長さんをさえない列車オタクとおもってた。けど何? なんだか彼を見てると、心臓が震えるような……まさかこの私が……恋?
(いやいやいや……ん? なにあれ?)
自分の感情がわからない状態で、車長さんの陰の異常さに気付いた。それは彼の陰が異様に広がってる。
「クリエイト、やり過ぎだ。観客がいるからってはしゃぎすぎるな」
『これは双方の為の行動でしょ? それよりもそっちがもっと頑張ってくれないと、ゼロの性能テストになり得ないじゃない。けど、あんたならいいかもね!』
そう言ってクリエイトさんは拳を生身の車長さんに向ける。いやいやいや! 死ぬよ!? 彼は人間……にん……げん?
「はい?」
私は眼下に見下ろす光景が信じられなくて、目をこする。けどどうやら私の目がいきなり腐った訳じゃないらしい。車長さんの腕がなにか機械的に太くなってアンティカの攻撃を受け止めてる。
「貴様は遊びが過ぎてる!」
その言葉と共に、車長さんの全身が膨れ上がった。私はぽかーんとするしかない。
(うん……もうあの人を英雄とは見ないようにしよう)
私はそんな風に思ってた。だって……
「おい誰かあいつを止めろ!」
「なんなんだよ……なんなんだよこれえええええ!!」
「おい!! 大丈夫か! おい!!」
「終わりだ……俺達はもう……終わり何だ……」
とかなんとか言ってる屈強な男達。一体何という舞台のワンシーンかと思う位の光景。あんな楽しそうにさっきまでしてた人達のガチ泣き……男泣きなんてこの世界、見る事はあったけど、あんな……あんなに胸に来る物は初めてだ。
それにそれが他種族を見て……なんてね。昔なら考えられなかった事だよ。だって昔は他種族は基本怖く恐ろしい物だった。こんな対等じゃなかったし、涙を見せる様な間柄になるなんてね。まあ私の感情的には「何やってるんだろう……」って感じが強いけどね。
私的にはここのノリについていけてない。
「全く彼女は……最近はちょっと調子にのってるな」
そういうのは車長さんだ。何故か彼は俺の出番だな――みたいな雰囲気を醸し出してる。いやいやだよ。貴方、獣人種の人達と比べても全然ヒョロヒョロしてますよ!?
(ってそか、人種が丸腰でアンティカに挑むなんてバカな真似しないよね)
考えてみれば常識だった。いや、考えなくてもわかる事だ。いやー、獣人種の人達が生身でボコボコにされてたから、車長さんも生身で参戦するのかと思っちゃったよ。そんな訳ないのにね。車長さんは帽子を取り、上着を脱いで部屋を出てった。きっと他にもアンティカがあるからそれに乗って出てくるのだろう。
車長さんなのにアンティカを操縦できるの? とか、疑問はある。確かアンティカを操縦できる人って軍の中でもエリートだけだった筈だ。それが軍属でもない車長さんが出来るのかは謎だけど、まあ見てればわかるだろうと思ってた。
「って!? ええ!! 生身じゃん!!」
ドームの中央に出てきた車長さんはこじんまりとしてた。まあアンティカじゃないからね。いやいや、てっきりアンティカで出て行く物と……てかアレじゃ意味ないでしょ。人種が生身でアンティカ相手に何が出来るっていうの? なにせ獣人種がボコボコにされてるのに、死ぬよ? バカなの? そんな事を私は思ってるけど、なんかボコボコにされてた獣人種の人達はまるで真の英雄が現れて魔王に立ち向かってくれてるかのような盛り上がりにかわってる。
「ご、後光が差して見える……」
「あいつを吹っ飛ばしてくれ……仲間の分まで!!」
「あの真の邪悪はこのままにしてちゃいけねえ! もうあんたしかいないんだ!!」
なんなんのこれ? 私はこのノリについていけないよ。一応撮ってるけど……私は車長さんをさえない列車オタクとおもってた。けど何? なんだか彼を見てると、心臓が震えるような……まさかこの私が……恋?
(いやいやいや……ん? なにあれ?)
自分の感情がわからない状態で、車長さんの陰の異常さに気付いた。それは彼の陰が異様に広がってる。
「クリエイト、やり過ぎだ。観客がいるからってはしゃぎすぎるな」
『これは双方の為の行動でしょ? それよりもそっちがもっと頑張ってくれないと、ゼロの性能テストになり得ないじゃない。けど、あんたならいいかもね!』
そう言ってクリエイトさんは拳を生身の車長さんに向ける。いやいやいや! 死ぬよ!? 彼は人間……にん……げん?
「はい?」
私は眼下に見下ろす光景が信じられなくて、目をこする。けどどうやら私の目がいきなり腐った訳じゃないらしい。車長さんの腕がなにか機械的に太くなってアンティカの攻撃を受け止めてる。
「貴様は遊びが過ぎてる!」
その言葉と共に、車長さんの全身が膨れ上がった。私はぽかーんとするしかない。
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