美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

閑話 ある日のシシの日常

「ラーゼ様、なんなのあれ! 聞いてないよ!!」

 私はエデンへと突撃して、更にラーゼ様が住まう場所まで突貫してきた。勿論ここは簡単にはこれない。普通はね。なにせラーゼ様は超がつくVIPであり、世界の宝そのもの。けど私達プリムローズは特別枠である。なにせ同じグループのメンバーなんだから一般ピーポーとは扱いが違うのは当然だ。私がこの場所を駆け抜けていても、ギョッとはされても止められはしないのだ。

「何シシ? 今日はまた奇抜な格好してるわね」

 そういうラーゼ様はシンプルな寝起きの様な格好だ。ちょっと下着が透けて見える。ネグリジェだと思うけど、ちょっと大胆すぎじゃないかな? 私さえちょっとムラムラするよ。男が見たら絶対に秒で出すね。ナニがとは言わないけど。

「ナニじゃないです! 私は認めませんから!!」
「ん? ナニ?」
「いえいえ、ナニじゃなくてアレです。あの子達です!!」

 ちょっとイントネーションが不味かったのか、ラーゼ様が首をひねってた。まあごまかせたからいいよね。私の言いたいことを察してくれたラーゼ様は、ぬいぐるみ達に髪をとかされながら私に言ってくる。

「なに? 文句でもあるの?」

 うっ……そう言われると『文句有ります』なんて言えるわけない。ラーゼ様はズルい。豪華な椅子に座ったラーゼ様に群がる可愛いぬいぐるみ達はとっても可愛い。ラーゼ様の引き立て役にぴったりなかわいさだ。シュンとしてると、熊のぬいぐるみが一体歩み寄ってきて、私の足をポンポンと叩いてる。感情でもあるのこれ?

「今のは冗談よ。けど言ってなかったっけ?」
「聞いてません!」
「まあでもほら、あんた達だけじゃどうあっても回せないじゃない。ライブ映像で間を持たせるとか勿体ないし」
「勿体ないですか?」
「いつだって見られたら、希少性が薄れるじゃない。まあ宣伝には良いから今は使ってるけどね。もうちょっとでライブ映像を単体販売する予定だからね。それが爆発的に売れたら、そこらの商人とか色々と作ってる所とかが、番組の間に流す映像を作る様になるわ」
「それなら……」
「でもそれは番組のエッセンスなのよ。番組自体はアイドルとかまあ他色々と回して行きたいじゃない。それを考えると現状まともに使えるアイドルが少なすぎるのよ。だからこれは決定事項。あんた達はアイドルとは何かを彼女達に見せてくれたらいいわ。最初が大事だからね」
「私達を捨てるとかじゃないんですよね……」

 私は不安に思ってた事をいってみた。そんな事無いってわかってる。わかってるけど、最近は一緒に居る時間も減ってるし不安になっちゃうのだ。

「バカね」

 そう言ってラーゼ様が私を手招きしてくれる。そして腕を広げて私を迎えてくれる。ラーゼ様の匂いと温もりにつつまれる。ラーゼ様は私よりも小さいけど、おっぱいは私よりもあるんだよね……

「よしよし、プリムローズは私の大切な場所なんだから、なくすわけ無いじゃない」

 そう言って優しくなでられて私はとても満足しました。

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