美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
Ω201
ユングは苦しんでる。あいつが自身の意思で私達を攻撃をするなんてありえない。あいつはアラガタにきっと乗っ取られる。ユングにくっついてる鎧。アレから引き離せば……私達はそう思ってるが、それが難しいのも事実。アンティカは人類最強の兵器だけど……それでも届かない領域。アラガタという存在はそこにいる。
「カタヤ様、無事ですか?」
「なんとか、綺麗に切られたからな」
確かにその切断部分はひっかかりもない綺麗なものだ。
「もうここでは赤いマナもそこまで効果もないでしょうね」
「そうだな……単純にアンティカでは性能が足りてないか……」
古の技術と、人種の培ってきた技術の結晶であるアンティカ。それでも、種として最初から強く生まれてるアラガタという存在には届かない。それは残酷な事実じゃないだろうか? 人種の数千年の継承もたった一つの種の単純な力に届かないなんて。
「だが……諦めるつもりなんてない!!」
「はい! 私達は英雄ですから」
私は鞭を使ってファーストの剣を回収する。片腕は残ってるんだ、それで十分に振れる。今はカンガタが頑張ってくれてる。見る限り、五分の戦いをしてる。やっぱりカギはカンガタだろう。それに私達を足して、どうにかしてアラガタを上回る。
それしかない。けど普通にやってても、私達はきっと一にはなりえないんだろう。アラガタとカンガタの拮抗を崩す一になるにはどうしたらいいのか。
「聞け、私の中にいる奴が話があるようだぞ」
戦いながら、カンガタがそんな事を言ってきた。カンガタの中にいる奴? それって車長さん? そう思ってると、通信機にガガガと雑音がのる。
「ふう……なんとかこれで繋がったかな? こんな形で失礼しますカタヤ様」
車長さんはそういってカタヤ様に恐縮する。私には? と思わなくもないが、私達の仲だ。そんな物不要と考えたのだろう。下に見てるわけではないだろう。うんうん。
「堅苦しい挨拶など不要だ。何か策でも?」
このタイミングでこんなことをしてきたのだ。何か策があると思うのは普通だろう。てか、車長さんはまだ無事だったのか。いや、ユングがこうしてここにいるのなら、車長さんだってそうだろう。そういうふうに思ってると、車長さんはこういった。
「いえ、このままでは私達は負けそうなので、保証してもらおうと思いまして……ね」
「保障?」
「ええ、私の妻や子供を路頭に迷わないように……と」
「どういうことですか? そんな死ぬみたいな! 私達は全員で帰るんですよ!! もちろん世界を救って英雄として!!」
ここで全てをやり遂げれば本当の英雄になれる。それは間違いない事だ。確かに状況は厳しい。けど、どうにかしてやって見せる。その思いを捨ててはいない。
「わかってるでしょうクリエイトさん。このままでは私達は負ける。ラーゼ様も今のアラガタの攻撃にいつまでも耐えられない」
「それは……」
「ですから、私はカンガタと一つになる事を決めました。そうなると私という存在はカンガタに飲まれるでしょう。ですが代わりに、こちらの世界のマナを完全に受け入れらる筈です」
そうか……今はカンガタもアラガタも媒介者を通じて私達の世界のマナを使ってる。それにはきっと限界がある。それを車長さんはカンガタと完全に一つとなる事でその限界を取り払おうと……そしてそれをすれば、車長さん自身がどうなるかわかってるから……人種の王様であるカタヤ様に家族の事を……
「そんな……事、しなくても……」
「これしか方法がありません。わかってるでしょう」
そういう車長さんの言葉に返せない。具体的な方法なんて私は何も持ってないからだ。
「どうですか? カタヤ様」
「…………その覚悟は既に出来てると」
「……私なんかが、英雄になれるでしょうか?」
人の好さそうな顔で、頬でも掻いてる顔が私の頭にはうかぶ。彼は……軍人でもなんでもない。けど……それでも……私なんかよりも英雄だ。
「勿論だ。そして約束しよう。僕の名において、君の家族は必ず守ってみせると!!」
「ありがとうございます。それとクリエイトさん。カンガタが完全にわたしたちの世界のマナを取り入れるとき、アラガタの世界のマナが不要になって排出される。それをゼロで使ってくれないかな? きっとその爪は奴に届く最後の武器になる。
これを送るよ」
そういってスクリーンに何やら文字列が出てきた。
『これは……』
「ゼロ? わかるの?」
『はい、これなら……』
ゼロが理解できるのなら、問題はきっとない。こんなことまでしてたのか……そういえば、車長さんでは会ったけど、あの列車って最新でまだ量産もされてないものだもんね。あの人車長さんであって技術者でもあった。
「それでは……少し先に、行っています」
その言葉を最後に通信は途切れた。そしてカンガタに異変が現れる。
「カタヤ様、無事ですか?」
「なんとか、綺麗に切られたからな」
確かにその切断部分はひっかかりもない綺麗なものだ。
「もうここでは赤いマナもそこまで効果もないでしょうね」
「そうだな……単純にアンティカでは性能が足りてないか……」
古の技術と、人種の培ってきた技術の結晶であるアンティカ。それでも、種として最初から強く生まれてるアラガタという存在には届かない。それは残酷な事実じゃないだろうか? 人種の数千年の継承もたった一つの種の単純な力に届かないなんて。
「だが……諦めるつもりなんてない!!」
「はい! 私達は英雄ですから」
私は鞭を使ってファーストの剣を回収する。片腕は残ってるんだ、それで十分に振れる。今はカンガタが頑張ってくれてる。見る限り、五分の戦いをしてる。やっぱりカギはカンガタだろう。それに私達を足して、どうにかしてアラガタを上回る。
それしかない。けど普通にやってても、私達はきっと一にはなりえないんだろう。アラガタとカンガタの拮抗を崩す一になるにはどうしたらいいのか。
「聞け、私の中にいる奴が話があるようだぞ」
戦いながら、カンガタがそんな事を言ってきた。カンガタの中にいる奴? それって車長さん? そう思ってると、通信機にガガガと雑音がのる。
「ふう……なんとかこれで繋がったかな? こんな形で失礼しますカタヤ様」
車長さんはそういってカタヤ様に恐縮する。私には? と思わなくもないが、私達の仲だ。そんな物不要と考えたのだろう。下に見てるわけではないだろう。うんうん。
「堅苦しい挨拶など不要だ。何か策でも?」
このタイミングでこんなことをしてきたのだ。何か策があると思うのは普通だろう。てか、車長さんはまだ無事だったのか。いや、ユングがこうしてここにいるのなら、車長さんだってそうだろう。そういうふうに思ってると、車長さんはこういった。
「いえ、このままでは私達は負けそうなので、保証してもらおうと思いまして……ね」
「保障?」
「ええ、私の妻や子供を路頭に迷わないように……と」
「どういうことですか? そんな死ぬみたいな! 私達は全員で帰るんですよ!! もちろん世界を救って英雄として!!」
ここで全てをやり遂げれば本当の英雄になれる。それは間違いない事だ。確かに状況は厳しい。けど、どうにかしてやって見せる。その思いを捨ててはいない。
「わかってるでしょうクリエイトさん。このままでは私達は負ける。ラーゼ様も今のアラガタの攻撃にいつまでも耐えられない」
「それは……」
「ですから、私はカンガタと一つになる事を決めました。そうなると私という存在はカンガタに飲まれるでしょう。ですが代わりに、こちらの世界のマナを完全に受け入れらる筈です」
そうか……今はカンガタもアラガタも媒介者を通じて私達の世界のマナを使ってる。それにはきっと限界がある。それを車長さんはカンガタと完全に一つとなる事でその限界を取り払おうと……そしてそれをすれば、車長さん自身がどうなるかわかってるから……人種の王様であるカタヤ様に家族の事を……
「そんな……事、しなくても……」
「これしか方法がありません。わかってるでしょう」
そういう車長さんの言葉に返せない。具体的な方法なんて私は何も持ってないからだ。
「どうですか? カタヤ様」
「…………その覚悟は既に出来てると」
「……私なんかが、英雄になれるでしょうか?」
人の好さそうな顔で、頬でも掻いてる顔が私の頭にはうかぶ。彼は……軍人でもなんでもない。けど……それでも……私なんかよりも英雄だ。
「勿論だ。そして約束しよう。僕の名において、君の家族は必ず守ってみせると!!」
「ありがとうございます。それとクリエイトさん。カンガタが完全にわたしたちの世界のマナを取り入れるとき、アラガタの世界のマナが不要になって排出される。それをゼロで使ってくれないかな? きっとその爪は奴に届く最後の武器になる。
これを送るよ」
そういってスクリーンに何やら文字列が出てきた。
『これは……』
「ゼロ? わかるの?」
『はい、これなら……』
ゼロが理解できるのなら、問題はきっとない。こんなことまでしてたのか……そういえば、車長さんでは会ったけど、あの列車って最新でまだ量産もされてないものだもんね。あの人車長さんであって技術者でもあった。
「それでは……少し先に、行っています」
その言葉を最後に通信は途切れた。そしてカンガタに異変が現れる。
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