美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
Ω172
「はあはあはあ……」
荒い息を吐く。一体何曲を歌っただろうか? わからない……けどそれを考えてる場合でもない。ただ歌い続ける、それしかないんだ。このライブに集まってくれたファンの人たちは、ただただ歌い続ける私たちを、それでも応援してくれてる。
(まあ、細かいことを気にしてないだけかもしれないけどね)
ただ私達が歌って踊ってればいいのかも……そう思いつつ、私は上を見る。今も戦闘が繰り広げられてるだろう宇宙をだ。ライブが必要なくなった……みたいな連絡はない。なら、私たちは歌い続けるしかないんだ。それがラーゼ様の助けになれるのなら、私たちはこの喉を潰したって歌い続ける。それは当然の覚悟だ。
でも不味くもある。だってこのままじゃ、私たちの体力が先に尽きる。心はどこまでも走ろうとしてるが、それに体がついて行ってない。私よりもコランの消耗が激しい。これ以上はまずい……すでに次の曲がかかってる。私たちがそういう要望をしてるからだ。
本当なら伴奏からダンスがある。けど、私たちは誰も……いや、ミラだけは冒頭から踊ってる。流石はリーダー。練習を一番真面目にやってるし、体力向上のトレーニングとかもミラは積極的にやってる。最近、お腹が割れてきたんだ――とか言ってきたときにはこいつは何を言ってるんだ? と思った物だ。
まぁ、ラーゼ様は多様性とか言って認めてたけどね。筋肉女子がいてもいいじゃないかって。私もトレーニングはしてる。けどムキムキになる気は無い。そうでしょう。私の理想はやはりラーゼ様なのだ。あの完璧なプロポーション。憧れとともに、自信をなくすほどのあの体。
私たちは衣装の着替えとかでラーゼ様の成長を見ることができる。その度に憧れてしまうんだからやばい。ミラも同じ体を見てるはずなのだけど……なぜにそっちに行ったのか謎だ。あれを目指すのは無謀だと思ったのかもしれない。
それもちょっとは理解できる。何せラーゼ様は特別だ。
「コラン、無理そうなら下がるんだ」
ミラの奴が、マイクを離してそういう。確かに私たちは四人いる。なら……その選択肢もありなのかな? 特に私とコランのマイクが重要なのだ。なら、どっちかがいれば……その考えはなかった。ミラもリーダーっぽくなってきたじゃん。
「でも……私がいないと!」
コランはそういう。コランも自分がいないとって思い込んでるみたい。けどコランは明らかに限界だ。このままやり続けたら倒れるだろう。それは私にもいえることだろう。けど、私はまだいける。コランを何曲か休ませて、その後に私が休む。ミラとフィリー姉も交互に休んでいけばまだまだやれる筈だ。
ずっと四人でやることにこだわってたが、その必要はきっと無いよね。
「フィリー姉様、コランをお願いします」
「シシちゃんまで!」
「コラン、私たちはまだまだ歌わないといけない。マイクは二つあるんだから分担するの。これもラーゼ様のためよ」
「…………うん」
コランはなんとか納得してくれたみたいだ。自分の限界だってわかってたはずだからね。コランは賢い子だ。フィリー姉が私の言葉に頷いてコランとともにはけていく。ステージに残ったのは私とミラだ。コランたちが戻ってくるまでは私たちがステージを盛り上げておかないといけない。
いつまでもミラだけにダンスを任せてる訳にはいかない。
「みんなーー!! 二人だからって盛り下がんないでよーー!!」
私は辛さを押し殺して笑顔を振りまいてそういった。それに答えるファンたち。その声を聞くと、少し体力が戻った気がする。まだやれる……そう言い聞かせてステージは続く。
荒い息を吐く。一体何曲を歌っただろうか? わからない……けどそれを考えてる場合でもない。ただ歌い続ける、それしかないんだ。このライブに集まってくれたファンの人たちは、ただただ歌い続ける私たちを、それでも応援してくれてる。
(まあ、細かいことを気にしてないだけかもしれないけどね)
ただ私達が歌って踊ってればいいのかも……そう思いつつ、私は上を見る。今も戦闘が繰り広げられてるだろう宇宙をだ。ライブが必要なくなった……みたいな連絡はない。なら、私たちは歌い続けるしかないんだ。それがラーゼ様の助けになれるのなら、私たちはこの喉を潰したって歌い続ける。それは当然の覚悟だ。
でも不味くもある。だってこのままじゃ、私たちの体力が先に尽きる。心はどこまでも走ろうとしてるが、それに体がついて行ってない。私よりもコランの消耗が激しい。これ以上はまずい……すでに次の曲がかかってる。私たちがそういう要望をしてるからだ。
本当なら伴奏からダンスがある。けど、私たちは誰も……いや、ミラだけは冒頭から踊ってる。流石はリーダー。練習を一番真面目にやってるし、体力向上のトレーニングとかもミラは積極的にやってる。最近、お腹が割れてきたんだ――とか言ってきたときにはこいつは何を言ってるんだ? と思った物だ。
まぁ、ラーゼ様は多様性とか言って認めてたけどね。筋肉女子がいてもいいじゃないかって。私もトレーニングはしてる。けどムキムキになる気は無い。そうでしょう。私の理想はやはりラーゼ様なのだ。あの完璧なプロポーション。憧れとともに、自信をなくすほどのあの体。
私たちは衣装の着替えとかでラーゼ様の成長を見ることができる。その度に憧れてしまうんだからやばい。ミラも同じ体を見てるはずなのだけど……なぜにそっちに行ったのか謎だ。あれを目指すのは無謀だと思ったのかもしれない。
それもちょっとは理解できる。何せラーゼ様は特別だ。
「コラン、無理そうなら下がるんだ」
ミラの奴が、マイクを離してそういう。確かに私たちは四人いる。なら……その選択肢もありなのかな? 特に私とコランのマイクが重要なのだ。なら、どっちかがいれば……その考えはなかった。ミラもリーダーっぽくなってきたじゃん。
「でも……私がいないと!」
コランはそういう。コランも自分がいないとって思い込んでるみたい。けどコランは明らかに限界だ。このままやり続けたら倒れるだろう。それは私にもいえることだろう。けど、私はまだいける。コランを何曲か休ませて、その後に私が休む。ミラとフィリー姉も交互に休んでいけばまだまだやれる筈だ。
ずっと四人でやることにこだわってたが、その必要はきっと無いよね。
「フィリー姉様、コランをお願いします」
「シシちゃんまで!」
「コラン、私たちはまだまだ歌わないといけない。マイクは二つあるんだから分担するの。これもラーゼ様のためよ」
「…………うん」
コランはなんとか納得してくれたみたいだ。自分の限界だってわかってたはずだからね。コランは賢い子だ。フィリー姉が私の言葉に頷いてコランとともにはけていく。ステージに残ったのは私とミラだ。コランたちが戻ってくるまでは私たちがステージを盛り上げておかないといけない。
いつまでもミラだけにダンスを任せてる訳にはいかない。
「みんなーー!! 二人だからって盛り下がんないでよーー!!」
私は辛さを押し殺して笑顔を振りまいてそういった。それに答えるファンたち。その声を聞くと、少し体力が戻った気がする。まだやれる……そう言い聞かせてステージは続く。
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