美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
Ω167
「押してる……」
私はそうみた。再び戻ってきたカンガタは明らかに、動きが違う。どうなってるの? いきなりパワーアップする様な要素があっただろうか? いや、パワーアップではないか。多分、カンガタは普通の状態になったんじゃないだろうか? もともと、カンガタはアラガタから分かれた存在だ。
その力がが完全にアラガタと同等……かはわからないが、近い事は確かな筈。なにせ元は同じ存在だったらしいし。そのカンガタが力を取り戻せば、アラガタと渡り合える事は道理……そして今、アラガタにも何かしらの異変が起こってる。
しかもいい方ではない異変だ。アラガタは装甲が溶けてるみたいにドロッとしてるし、それから戻る気配はない。まあだからって弱くなったかというと微妙だ。けどそれは私達基準なんだろう。私達人種とアラガタやカンガタには隔絶した差がある。
なんとかアンティカという外部強化装甲を得て、どうにかこうにか渡り合ってたわけだが、それでも私達はアラガタには届いてなかった。それは認めるべき事実。同等の存在であるカンガタがいなければ、今頃私達は全員死んでいた筈だ。
「私達は弱いね……ゼロ」
悔しい。英雄だなんだといっていて、結局私達は弱い。画面がゆがむ。私はその原因を腕で拭う。
「ごめん、まだ戦場なのに、まだ終わってないのにね。きっとまだ出来る事はある。カンガタのサポートに回ろう。この隙にカタヤ様やベール様とも合流したいし。わかる?」
『勿論です』
カンガタが押してる今なら、ベール様を回収する事も、カタヤ様と合流する事も出来るだろう。ずっと小さな救難信号が出てる。それが多分ベール様な筈だ。セカンドの反応はほぼない。多分大破に近いんだと思う。流石にそうなると、ゼウスに戻らないとどうしようもできない。回収は後に回すしかない。
けど、私達とファーストはまだどうにか出来るだろう。パーツは沢山ばらまいて行っててくれてる。
「クリエイト!」
「カタヤ様! 大丈夫なんですか?」
「なんとかね。一応応急処置はしたよ」
そういうカタヤ様の顔がモニターに映る。そこには額に包帯を巻いた姿が映ってる。その包帯も結構既に血がにじんでる。それに負傷は頭だけじゃないかも……私には心配かけないようにしてる可能性だってある。でも……ここでそれを追求したって、カタヤ様は止まらないだろう。だってカタヤ様だって英雄だ。
ここで背中を向ける……なんて事を選ぶわけない。
「ファーストは動けますか?」
「動くだけなら……だが、戦闘は厳しい。出来るのは囮くらいか……」
この戦闘で囮ってほとんど命を投げ捨てると同義だ。流石にカタヤ様にそんなことは……
「そこでだ――」
そう言ってカタヤ様は自身の剣を私に差し出してくる。
「三機の使える物、あとばそこらに散らばってるパーツを全てゼロに託す。負担かもしれないが、君が全てを使ってアラガタを倒すんだ」
「私……が?」
確かに今、まともに動けるアンティカは私のゼロしかない。だからそこに残りのパーツを全てを集中させる……確かにそれしかないのかもしれない。
「ゼロ、出来る?」
『設計をします。お任せください』
ゼロはやる気のようだ。なら、私だって……これをなしえたら、私も本当の英雄に……そして第一機甲師団の本当の一員になれる気がする。
「託されました」
私はファーストの剣を受け取る。
私はそうみた。再び戻ってきたカンガタは明らかに、動きが違う。どうなってるの? いきなりパワーアップする様な要素があっただろうか? いや、パワーアップではないか。多分、カンガタは普通の状態になったんじゃないだろうか? もともと、カンガタはアラガタから分かれた存在だ。
その力がが完全にアラガタと同等……かはわからないが、近い事は確かな筈。なにせ元は同じ存在だったらしいし。そのカンガタが力を取り戻せば、アラガタと渡り合える事は道理……そして今、アラガタにも何かしらの異変が起こってる。
しかもいい方ではない異変だ。アラガタは装甲が溶けてるみたいにドロッとしてるし、それから戻る気配はない。まあだからって弱くなったかというと微妙だ。けどそれは私達基準なんだろう。私達人種とアラガタやカンガタには隔絶した差がある。
なんとかアンティカという外部強化装甲を得て、どうにかこうにか渡り合ってたわけだが、それでも私達はアラガタには届いてなかった。それは認めるべき事実。同等の存在であるカンガタがいなければ、今頃私達は全員死んでいた筈だ。
「私達は弱いね……ゼロ」
悔しい。英雄だなんだといっていて、結局私達は弱い。画面がゆがむ。私はその原因を腕で拭う。
「ごめん、まだ戦場なのに、まだ終わってないのにね。きっとまだ出来る事はある。カンガタのサポートに回ろう。この隙にカタヤ様やベール様とも合流したいし。わかる?」
『勿論です』
カンガタが押してる今なら、ベール様を回収する事も、カタヤ様と合流する事も出来るだろう。ずっと小さな救難信号が出てる。それが多分ベール様な筈だ。セカンドの反応はほぼない。多分大破に近いんだと思う。流石にそうなると、ゼウスに戻らないとどうしようもできない。回収は後に回すしかない。
けど、私達とファーストはまだどうにか出来るだろう。パーツは沢山ばらまいて行っててくれてる。
「クリエイト!」
「カタヤ様! 大丈夫なんですか?」
「なんとかね。一応応急処置はしたよ」
そういうカタヤ様の顔がモニターに映る。そこには額に包帯を巻いた姿が映ってる。その包帯も結構既に血がにじんでる。それに負傷は頭だけじゃないかも……私には心配かけないようにしてる可能性だってある。でも……ここでそれを追求したって、カタヤ様は止まらないだろう。だってカタヤ様だって英雄だ。
ここで背中を向ける……なんて事を選ぶわけない。
「ファーストは動けますか?」
「動くだけなら……だが、戦闘は厳しい。出来るのは囮くらいか……」
この戦闘で囮ってほとんど命を投げ捨てると同義だ。流石にカタヤ様にそんなことは……
「そこでだ――」
そう言ってカタヤ様は自身の剣を私に差し出してくる。
「三機の使える物、あとばそこらに散らばってるパーツを全てゼロに託す。負担かもしれないが、君が全てを使ってアラガタを倒すんだ」
「私……が?」
確かに今、まともに動けるアンティカは私のゼロしかない。だからそこに残りのパーツを全てを集中させる……確かにそれしかないのかもしれない。
「ゼロ、出来る?」
『設計をします。お任せください』
ゼロはやる気のようだ。なら、私だって……これをなしえたら、私も本当の英雄に……そして第一機甲師団の本当の一員になれる気がする。
「託されました」
私はファーストの剣を受け取る。
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