美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
Ω162
「これはラーゼさまの声?」
不思議だった、なぜここでラーゼさまの声が聞こえるんだろうか? だって僕は既に……そう、既に死んでる筈だ。その実感があった。僕は皆さんの代わりにあの場に残り、無茶をして戦った。体が壊れていく感覚が確かにあり、マスクも壊されて……最後にはあの星のマナと、そして世界樹の根に潰されたはずだ。
きっと死体なんて残ってない。残ってるとしたら汚いシミだけだろう。だから僕は死んだんだと思う。だからここはきっと死後の世界だ。でもそっか……死後の世界といっても、それはマナのある世界に変わりはない。僕たちは死んだらマナへと返りそして世界樹へと帰る。ならラーゼ様の声が聞こえてもおかしくない。
だってラーゼさまは世界樹の巫女だ。世界樹と通じる唯一の存在。世界樹が世界なら、ラーゼさまもまた世界だ。だから僕はあの人の中に戻ったともいえるんだ。それならここでラーゼさまの声が聞こえるのはなんの不思議もないといえる。
「すみませんラーゼさま。僕は……もう……」
僕はそういって見えてるお母さんに手を伸ばす。それは届くことはない。同じ世界樹の中にいるのなら、届いていいはずなのに、この手はお母さんに届くことは決してないような……そんな気さえする。
「聞こえてるのなら、私の役に立ちなさい! マナを受け取って!!」
ラーゼ様のマナ? いや、そもそも僕は既に……そう思ってると、暗かった周囲に明かりがともり出す。それは白い光だ。これがラーゼ様のマナ。けど、そのマナは黒い中に飲み込まれていってもいる。
「くっ、気づかれたか。あんたが伸ばさないとダメなのよ! 意思を見せなさいユング!!」
名前を呼ばれて、僕ははっとした。何かが震える気がしたからだ。ぼーとしてた思考がどこかクリアになる。けど……そうなのか? これは夢とか死後の世界じゃない? まだ……戦いは続いてる? そしてラーゼ様が僕に呼びかけるって事は、まだこの僕にも何か出来ることがある?
「ふん、貴様は目覚める必要などない」
そんな知らない声が……いや、違う。一回だけ聞き覚えのある声だ。それが聞こえた。そして今までただ漂うだけだったものが、覆いかぶさってくるような感覚。押しつぶされる。僕は必死に腕を動かしてもがくが、周りは全てそれだった。
「たすっ――」
目に入る白い、きれいな光。それはまさに希望の光に見えた。まだラーゼさまは僕にそのマナを送ってくれてる。あの方のマナは宝だ。それをこんなにも……もがく中、お母さんが見える。そのお母さんが頷いた気がする。そして「生きなさい」と言われた気がした。
だから僕は一番近くのマナに手を伸ばして叫んだ。
「マナよ! 僕はここだあああ!!」
存在を主張するように僕はそういった。すると次の瞬間、僕の手の中が光る。そこにマナがあった。そして次々と内側が熱くなる。ラーゼ様のマナが僕を見つけてくれたんだ。僕は……まだ、ここにいる!!
不思議だった、なぜここでラーゼさまの声が聞こえるんだろうか? だって僕は既に……そう、既に死んでる筈だ。その実感があった。僕は皆さんの代わりにあの場に残り、無茶をして戦った。体が壊れていく感覚が確かにあり、マスクも壊されて……最後にはあの星のマナと、そして世界樹の根に潰されたはずだ。
きっと死体なんて残ってない。残ってるとしたら汚いシミだけだろう。だから僕は死んだんだと思う。だからここはきっと死後の世界だ。でもそっか……死後の世界といっても、それはマナのある世界に変わりはない。僕たちは死んだらマナへと返りそして世界樹へと帰る。ならラーゼ様の声が聞こえてもおかしくない。
だってラーゼさまは世界樹の巫女だ。世界樹と通じる唯一の存在。世界樹が世界なら、ラーゼさまもまた世界だ。だから僕はあの人の中に戻ったともいえるんだ。それならここでラーゼさまの声が聞こえるのはなんの不思議もないといえる。
「すみませんラーゼさま。僕は……もう……」
僕はそういって見えてるお母さんに手を伸ばす。それは届くことはない。同じ世界樹の中にいるのなら、届いていいはずなのに、この手はお母さんに届くことは決してないような……そんな気さえする。
「聞こえてるのなら、私の役に立ちなさい! マナを受け取って!!」
ラーゼ様のマナ? いや、そもそも僕は既に……そう思ってると、暗かった周囲に明かりがともり出す。それは白い光だ。これがラーゼ様のマナ。けど、そのマナは黒い中に飲み込まれていってもいる。
「くっ、気づかれたか。あんたが伸ばさないとダメなのよ! 意思を見せなさいユング!!」
名前を呼ばれて、僕ははっとした。何かが震える気がしたからだ。ぼーとしてた思考がどこかクリアになる。けど……そうなのか? これは夢とか死後の世界じゃない? まだ……戦いは続いてる? そしてラーゼ様が僕に呼びかけるって事は、まだこの僕にも何か出来ることがある?
「ふん、貴様は目覚める必要などない」
そんな知らない声が……いや、違う。一回だけ聞き覚えのある声だ。それが聞こえた。そして今までただ漂うだけだったものが、覆いかぶさってくるような感覚。押しつぶされる。僕は必死に腕を動かしてもがくが、周りは全てそれだった。
「たすっ――」
目に入る白い、きれいな光。それはまさに希望の光に見えた。まだラーゼさまは僕にそのマナを送ってくれてる。あの方のマナは宝だ。それをこんなにも……もがく中、お母さんが見える。そのお母さんが頷いた気がする。そして「生きなさい」と言われた気がした。
だから僕は一番近くのマナに手を伸ばして叫んだ。
「マナよ! 僕はここだあああ!!」
存在を主張するように僕はそういった。すると次の瞬間、僕の手の中が光る。そこにマナがあった。そして次々と内側が熱くなる。ラーゼ様のマナが僕を見つけてくれたんだ。僕は……まだ、ここにいる!!
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