美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
Ω155
「ダメです!」
そう言って私の前に立ちふさがるのはヘビだ。そしてこのゼウスの艦長さんだ。この場で私の次に権限を持ってる奴らが二人そろって私の前に立ちはだかるとは……
「何やってるのよ? 流石にこのままじゃ不味いじゃない?」
私はなんでもないように、いつもの調子で言うよ。そこら辺、実はこの二人の方がよくわかってる筈でしょう。だって私なんかよりもずってと頭いいだろうし、今まで軍でいっぱい指揮してきた経験だってある。私は大体、ここぞって時しかやんないし、雑事は下に任せるのが上の者の教示だって思ってる。
それで言えば、今回も私よりも先に動くべき奴らはいるだろう。でも、私だって部下の力くらい把握してるよ。はっきり言って、あの規模、あの面積を抑えられる奴は私しかいない。面倒だけど……ね。しょうがないじゃん。いないんだもん。私以外。
こんなかわいくて優秀でもあるって、私って本当に完璧だよね。
「不味いですが、何とかします」
「ええ、ラーゼ様、我らを信じてください」
むむ……なかなか引かないな。何か策でもあるのか? ここまでこの二人が引かないとなると、何かあるんじゃないかと思えてきた。なにせ二人とも計画的な筈だ。特にヘビはそう言うやつだ。こいつは勝てる戦しかないタイプだし。まあこの状況で勝てる戦ってなんだって感じだけど……
「何か策があるの?」
「…………もちろん」
「……そうですよ! アンサンブルバルン様の言う通りです!」
いや、これはないな。そもそもが策を用意する時間なんてなかったんだ。一応戦闘になる事を見越して、アンティカやある程度の部隊を連れてはきてる。でもそれが精一杯だったんじゃないだろうか? 流石にゼウスだけじゃ、あの量の世界樹の根に制圧されてしまう。
「嘘ね」
私はズバン! とそう言い当ててやった。すると艦長さんがひるむ。流石のヘビは動じないが、それでも一人が動じれば十分だ。
「そんなウソ言ってどうする気よ? このままじゃ陣なんて完成しないわよ」
既に状況は悪くなってる。両翼にある二基の砲台では間に合わないんだ。主砲を撃つには進路を傾けないといけないし、そうしたら、ルートを外れる。ここはマナで星事、あの世界樹の根を押さえつけるしかない。そしてそれが出来るのは私だけ……
「どうにかします」
「ちょっとヘビ!」
「します!」
むむ、とても鋭い眼光でヘビが睨んでくる。まあ睨んでるんじゃなく、見つめてるんだろうけどさ。こいつが一番、現実的だ。だからこそ、わかってる筈。私の力以外で、あの世界樹の根を抑えるなんて不可能だと。それなのにどうやるのよ。
「貴方には星を破壊するための力を温存してもらわないと困ります。確かに貴女の力は膨大ですが、星を破壊するための力もまた膨大なはず。その為です」
なるほどね。確かに納得できる理由である。私の力は凄いが、どれだの力で星を破壊できるかなんてやったことないからわからないしね。それを思えば、無暗にわたしに力を使わせたくないんだろう。人種に使う量と、ここで世界樹の根を抑える量は桁が違うし。
人種に使う程度の量なんて、私にとっては誤差の範囲でしかない。しょうがないから私は椅子に座りなおす。
「引いてあげる。けど、ちゃんと私の活躍する場は用意しなさい」
「御意」
見せてもらおうじゃない。どんな考えがあるのかね。ヘビが泣きつくかもしれないし、それも実は楽しみだ。
そう言って私の前に立ちふさがるのはヘビだ。そしてこのゼウスの艦長さんだ。この場で私の次に権限を持ってる奴らが二人そろって私の前に立ちはだかるとは……
「何やってるのよ? 流石にこのままじゃ不味いじゃない?」
私はなんでもないように、いつもの調子で言うよ。そこら辺、実はこの二人の方がよくわかってる筈でしょう。だって私なんかよりもずってと頭いいだろうし、今まで軍でいっぱい指揮してきた経験だってある。私は大体、ここぞって時しかやんないし、雑事は下に任せるのが上の者の教示だって思ってる。
それで言えば、今回も私よりも先に動くべき奴らはいるだろう。でも、私だって部下の力くらい把握してるよ。はっきり言って、あの規模、あの面積を抑えられる奴は私しかいない。面倒だけど……ね。しょうがないじゃん。いないんだもん。私以外。
こんなかわいくて優秀でもあるって、私って本当に完璧だよね。
「不味いですが、何とかします」
「ええ、ラーゼ様、我らを信じてください」
むむ……なかなか引かないな。何か策でもあるのか? ここまでこの二人が引かないとなると、何かあるんじゃないかと思えてきた。なにせ二人とも計画的な筈だ。特にヘビはそう言うやつだ。こいつは勝てる戦しかないタイプだし。まあこの状況で勝てる戦ってなんだって感じだけど……
「何か策があるの?」
「…………もちろん」
「……そうですよ! アンサンブルバルン様の言う通りです!」
いや、これはないな。そもそもが策を用意する時間なんてなかったんだ。一応戦闘になる事を見越して、アンティカやある程度の部隊を連れてはきてる。でもそれが精一杯だったんじゃないだろうか? 流石にゼウスだけじゃ、あの量の世界樹の根に制圧されてしまう。
「嘘ね」
私はズバン! とそう言い当ててやった。すると艦長さんがひるむ。流石のヘビは動じないが、それでも一人が動じれば十分だ。
「そんなウソ言ってどうする気よ? このままじゃ陣なんて完成しないわよ」
既に状況は悪くなってる。両翼にある二基の砲台では間に合わないんだ。主砲を撃つには進路を傾けないといけないし、そうしたら、ルートを外れる。ここはマナで星事、あの世界樹の根を押さえつけるしかない。そしてそれが出来るのは私だけ……
「どうにかします」
「ちょっとヘビ!」
「します!」
むむ、とても鋭い眼光でヘビが睨んでくる。まあ睨んでるんじゃなく、見つめてるんだろうけどさ。こいつが一番、現実的だ。だからこそ、わかってる筈。私の力以外で、あの世界樹の根を抑えるなんて不可能だと。それなのにどうやるのよ。
「貴方には星を破壊するための力を温存してもらわないと困ります。確かに貴女の力は膨大ですが、星を破壊するための力もまた膨大なはず。その為です」
なるほどね。確かに納得できる理由である。私の力は凄いが、どれだの力で星を破壊できるかなんてやったことないからわからないしね。それを思えば、無暗にわたしに力を使わせたくないんだろう。人種に使う量と、ここで世界樹の根を抑える量は桁が違うし。
人種に使う程度の量なんて、私にとっては誤差の範囲でしかない。しょうがないから私は椅子に座りなおす。
「引いてあげる。けど、ちゃんと私の活躍する場は用意しなさい」
「御意」
見せてもらおうじゃない。どんな考えがあるのかね。ヘビが泣きつくかもしれないし、それも実は楽しみだ。
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