美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

Ω107

「何かもっと操作できないかな?」

 私はそう思って起動した装置に色々と触れてみる。実はもう一度あの地図を見たいのだ。頭に叩き込んではいるが、この都市はどんどんと崩壊していってる。記憶の地図と照らし合わせるのがなかなかね……ここでもう一度見る事が出来たら、助かる。

 だから色々とやってる。確かに前の時は映像が浮き出る様に出て来たような。色々とバシバシやってると、映像が浮かぶ。

「おっ、来た」

 色々と項目が縦に並んでるのがみえる。けど読めない。ここの文字を私は理解できてないからだ。地図はどれだろうか? とりあえず上から一つ一つ選択していくしかない。どうやらタッチで操作できるみたいだけど、反応するのは小手にだけみたい。
 
「うーん何が書いてあるのかわかんないから押すのがこわいな」

 変な事が起きても困る。とりあえず起動しろって言われてるから、起動さえさせればいいんだろうしね。地図だけを見たい訳だが、その地図がどこかわからない。最初の階層の七つくらいだったが、一つを押すと更に十二くらいの文字の項目が出てきた。
 更に押すと更に奥の階層へと行くわ気で……やばいねこれ。

「でもあの時はそんなに奥じゃなかった筈」

 私はそんな記憶を頼りに、情報の多そうな階層はさっさと閉じて最初の階層の項目を確かめていくことにした。すると下から二番目くらいで別の画面が浮き出て地図が表示される。当たりだ。前に見たのと同じように、起動してる装置が緑色に示されてまだのが赤く示されてる。

 自分が今いる位置を中心にして表示してくれてるから、位置の確認もばっちりだね。不満としては東西南北の表示とかない事だね。

 地図は立体で表示されてるが、その面影は既にこの都市にない。最初はこれでもまだよかったんだけど、今はこれではわかりづらい。

「いや、道路の形でなんとか?」

 建物は壊れてるが、地面の道はこの通りの筈だ。なら、それを頼りにすれば……この地図はかなりの高精度だ。完璧にこの都市をトレースしてるといっても過言じゃない。なら、道路でわかるかも? とりあえず建物を目印には出来ないんだからそれでいくしかない。

 私は頭の中の地図を更新する為に食い入るようにそれをみる。

「これを持ち歩けたらな……」

 忘れるなんて事はないが、都度見れたらそれだけで便利だ。とか思ってたら、何やら小手が反応する。勝手に指先がワナワナト動き出し、鋭く指を伸ばすと装置へと突き刺さる。

「うへ!? 私のせいじゃないから!!」

 誰に言い訳したからわからないが、取り合えず弁解してた。だってこれ私の意思じゃないし!! これで壊れても私のせいじゃない。いやマジで。

 とかなんとか思ってると、小手の所に何やら光の筋が装置から集まってくる。そしてこっちから出てるのもある? まるで何やらやり取りしてるみたいな? いや、こんな荒い方法で? と思うけどね。そんな事を思ってると、無造作に壊された部分がなんか変形してく。そしてちょっと待つと勝手に小手は排出された。

「なんか綺麗になってる?」

 そんな事を呟いてぐっぱっとしてると、小手の腕に侵食してる部分が開いて小さなモニターが現れた。そこにさっきの地図が……

「うわーすごーい」

 ……私は感情のこもってない声で小手を称えてあげた。最初からそういう機能あるならいってくれない?

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